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三原淳雄
 
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1999年08月06日
三原 淳雄

 
トリプルメリット
 

 80年代後半の日本でよくつかわれた言葉が、このトリプルメリット、つまり円高、低金利、原油安である。 この何れもが金余りにつながり壮大な株と不動産のブームとなったことは記憶に新しい。 その結果日本は世界で突出した金持ち国になったのである。

 90年代のアメリカもドル高、低金利、原油安のトリプルメリットを享受したことは間違いない。 だからこそ外国からの資金も流入しNY市場の1万ドル台乗せとなったのである。 しかし、ここにきて米のトリプルメリット シナリオがやや変調気味となってきた。 ドル高に歯止めがかかり金利も原油も大幅に上昇している。 NY市場が調整色を強めるのは当然だろう。

 しかし、だからといって日本のバブル崩壊を想定するのは早計に過ぎる。 日本ではバブルを崩すことが先行し、その後のリスク対策が全く不在で、おまけにセーフティネットなど形もなかったのだから、散々な目に遭ってしまったが、米はその点抜かりはない。 恐らくいまごろは、如何に上手に軟着陸させるか、その際のリスク対策をどうするかについて、しっかり対策を考えているはずである。 既に国債の買い入れ焼却を発表しているのも、その動きの表れではないだろうか。 NY市場の変調は起こり得るかも知れないが、過剰な心配は無用だろう。 東京市場もつれて押し目が入っているが、考えようでは乗り遅れた電車が戻ってきつつあるようなもの。 止まるところを見定めて主力株の押し目を狙いたい。