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2000年02月29日
三原 淳雄

 
株式とは何か
 

 株式市場が再び関心を集めているのは結構なことだが、安く買って高く売るばかりが株式の効用ではないこともぜひ知っておいていただきたいのである。

 先般昭薬やエスエス製薬に対してTOB〔買い占め〕が行われたニュースはご存知と思うが、このTOBが意味していることは、安く変えることもさることながら、株式の持つ物的証券と支配証券という効用に目をつけたものであった。

 株式には儲けるという目的の利潤証券、解散価値としての物的証券そして会社を支配する支配証券の3つの効用がある。

 しかしこれまでは株の持ち合い制度やメインバンク制度などによって買収や乗っ取りをしたくても、実際に必要な株式を買えなかったのが日本の実態だったのだが、これからはこのあたりの事情も大きく変わってくる可能性が強くなってきた。

 グローバル化は将に世界中の市場がほぼ同じ条件になるということであり、株主の権利が強く前面に出てくることは間違いない。

 単に同じグループだからといって値下がりしたり、役にも立たない株などを持っていると、株主によって経営陣の無能さが追及されるであろうし、国際会計基準が導入されれば経営資源の有効活用の実態も表面化せざるを得ない。 経営者の使命は企業の持つ全ての資源の有効活用であり、無能な経営者は株主によってさっさと追放されるか、買収されて首を切られるかという厳しい時代になるのは確かである。 今の極端に2極化している東京市場では、既に1株当たり資産を大きく株価が下回っている銘柄も多数あり、何れこれらの企業の買収が大きな話題になるだろう。

 一丁革命もさることながら、今年のテーマのひとつにM&Aがなるのも時間の問題ではなかろうか。 いまや日本は会社の大バーゲンセールの様相となっているのだから、すばしこい外資などがきっと狙っているはずである。