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2000年05月22日
三原 淳雄

 
まるで正反対の日本とアメリカ
 

 4月中旬以降日米とも株式市場は変調をきたしているが、同じ下げでもその内容はガラリと異なっている。

 アメリカは強すぎる景気、旺盛な消費を如何に抑えるか、つまりオーバーヒート気味の経済をソフトランディングさせるのに躍起になっているのに対し、日本はまるで鏡を見るような反対の形となっている。

 日本は伸びない消費や賃金、減らない失業、財政赤字、上げらない金利、もう余地のない減税など八方塞がりのなかでの株価の値下がりなのだが、アメリカの場合は日本の事情とはそのことごとくが反対になっている。

 市場内部のテクニカルな要因を見ても、一見ネットバブルの破裂という現象は同じでも、もともとナスダック事情なんて多産多死が当たり前であり、投資家もそのあたりは充分覚悟があっての投資だろうし、オラクルやシスコンステムズ、サンマイクロ、インテルなどは単なるネット企業ではなく実業の部分をちゃんと持っている。

 かてて加えて政策のオプションも日米きわめて対称的である。

 アメリカはいざとなれば金利も下げられるし,財政も大黒字だから減税だって出来る。

 日本はもう無い袖は振れないのだから、ただひたすら海外市場頼みしかないのでは困る。

 神様の国よりも森さんには是非「時の氏神」になって市場を活性化して欲しいものだ。

 そのためには「ゼロ金利政策の維持」「資金の量的緩和」「財政支出の正しい執行」「補正予算」など打てる手はどしどし打って欲しいものである。

 もちろん来年四月から施行予定の申告分離課税(売買益の26%課税)などは凍結し、全ての税制を大改革するなかで検討すべきであろう。