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2000年06月27日
三原 淳雄

 
日本人と外国人・大きく異なる市場観
 

 2000年3月末現在で外国人投資家による日本株の保有金額が、日本の個人投資家のそれを上回ったそうだ。

 株数ではまだ日本の個人投資家の方が多いようだが、値嵩株主体の外国人と低位株好みの日本の投資家の違いがでているようで面白い現象である。

 4月以降はネット株バブルの崩壊で、逆になっているかも知れないし、このところの外国人投資家は売りが選考していただけに、若干金額も減っているだろうが、注目すべきはこうした変化の背景だろう。

 簡単に言えば外国人と日本人とでは株の上げ下げ時の対応が逆になっていることである。 つまり上がると買ってくるのが日本人で、下がると買うのが外国人という図が透けてみえる。

 この傾向は何も今回ばかりでなく、日本の株式市場が大きく下げて低迷が続いた時には、これまでも必ず見られた現象なのである。

 古くは昭和40年不況がある。 ダウ平均1000円を迫っての攻防が長く続き、遂には山一證券が日銀特融を受ける事態に陥ったのだが、この時の下値を買ったのは外国人であり、日本では外国人に株を買われてしまわないようにと、共同証券などが買い支える一方で、個人の売りをグループ企業同士の持合い強化で買収されるリスクを防いだものである。 いま問題になっている持合い株は当時の苦肉の策だったと言えるのだろう。

 直近ではプラザ合意による円高不況も、売るのは日本人、買うのは外国人という図がみられたし、その後のバブル期には今度は売りは外国人、買いが日本人という形となってしっかり高値を掴むことになった。

 今回も状況は全く同じで、日経平均がどん底になった98年秋から99年央にかけての買いは外国人、ネット株などの高値をその後猛然と買い上げたのが日本人(プロも含む)。 相も変わらぬリスクに対する認識のズレ。

 さて、今回も4月以降政治の不安を嫌う外国人が、総選挙後の下げを予想したのか大幅に売り越したが、これは橋本政権の末期にうまくいったという記憶もあるはず。

 今回も安値で買い戻すことを狙っているようだが、さて今度はぜひ彼らの裏をかいて安い時こそ買ってみたいものである。

 たまには彼らにも高値で買い戻して貰うのもいいのではないだろうか。

 目先き的には若干警戒すべきだろうが、中長期的には大きな上昇相場に入っていると考えているだけに、安値での対応をぜひ的確にしていただきたいと願うや切である。