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2000年08月08日
三原 淳雄

 
税制改悪に反対
 

 ビッグバンのモットーはフリー、フェアー、グロウバルの筈であるが、もともとそれを言い出したのはご存知のように大蔵省だった。 その大蔵省がいつのまにか株式取引に関してとんでもない税制を決めていたのだから、いまや市場は大騒ぎとなっている。

 現状では投資家は源泉課税か申告課税かの選択ができるのだが、2001年の4月からは申告課税しかできなくなる。 儲けたらはらえばいいというのが大蔵省の考えだろうが投資家にとっては大変である。

 たとえばたった一回の取引でもそれで利益が出れば、税務署に申告しなければならないし、ましてや取引回数の多い人にはとんでもない手数と時間がかかる。

 しかもその税率も利益の26%なんてとんでもなく高い。 リスクをとって株式に投資しているのにもかかわらずこれではまるでペナルテイではないか。 このままではきっと株式市場から投資家が逃げ出してしまうだろう。

 マーケットは国民共有の大切な財産という信念を持っている私としてはとても黙って見過ごすわけには行かない。 そのためにありとあらゆる機会を通じて反対意見を述べてきた。

 だいたいこんな大切なことをいつのまにか決めてしまっていいのだろうか? 国民全体にとって大問題の税制をオープンに議論することなくいつのまにか決めてしまうなんて国民を馬鹿にしているとしか思えないのである。

 これが大蔵省の唱えているビッグバンだとしたらなにがフリーで何がフェアーなのかまず自らに問うのが本筋だろう。 幸い政府与党もこの問題の重要性に気がつき始めているようだが、過ちを改めるには速い方がいいに決まっているし、投資家も安心して投資出来るだろう。

 本来こんな大切なことはもっとオープンに議論すべきであり、いつのまにか決まってしまうなんてことではとうてい法治国家とは呼べるまい。 外国人にとって日本が分かりにくいのもルールがこのようにいつのまにか変わってしまうからである。

 市場にとって大切なことは透明性の高いことでありこんな突然のルール変更は、市場そのものの信頼性を大きく傷つけることに当局はもっと気配りする必要があったのではないだろうか。 市場こそ国民を豊かにしてくれる大切な財産形成の場所であることを改めて認識してほしいものである。