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2001年01月25日
三原 淳雄

 
税制こそ最大の株価対策
 

 株式市場の下落に驚いて、これは大変とばかり株価対策論議が盛んである。

 いつも感じることだが、米国などと比べると日本の政策担当者たる政府も行政も足元に火がつくまで腰を上げないきらいがある。 銀行や生保の破綻や経営難に際しても、もっと事前にリスク対策を講じておけば、損害も修復のコストも安くすむのに、どうにもならなくなったところで対策を考え始めるから、いつも後手後手となり結果として国民の富を大きく傷つけてしまう。

 これは将に政策の怠慢であり、欧米であればたちまち責任問題となって担当者は首をそろえて打ち首だろう。

 本来政府(官も含めて)のやるべき第一の仕事は、国民の生命と財産を守ることであり、そのためにその職についているのだから、失敗したら辞めるのが当たり前だし、失政や怠慢によるものであれば、その罪をきっちり償って貰わねばなるまい。

 今の内閣は総理級を揃えた重量内閣だそうだが、宮沢、橋本両元首相は株や土地を大きく下げた前歴の持ち主。 あまりに重量級すぎてまたも株を下に引っ張ってしまったではないか。 前非を悔いて国民に報いる気でいるのなら、小手先の株価対策などではなく、抜本的に発想を変え、どうしたら国民を豊かにするかをまず考えるべき、と言うことである。

 それにはまず国民が「日本に生まれてよかった」と思えるような国造りを考えるべきであり、外国人には「日本に住みたい」とおもわせるような夢のある国にすることであろう。

 そんな国になれば、ヒトもカネも世界中から集まってくるはずであり、何も公的資金で株価を支えずとも、自然に市場は活性化するのである。 ヒトが集まってくれば当然不動産市場も生き返るし、このことは90年代のアメリカを見れば良く判る。

 ことは簡単である。 アメリカにアメリカンドリームがあるように、日本でもしっかり頑張れば必ず報われるという仕組みを作ればいい。 そのためにはまず税制を大きく変え、頑張る人にはご褒美を与えることだ。

 地方にも税収の権限を大きく与えればそれぞれが知恵を出して頑張る人を誘致しようとするだろう。 いま日本に最も必要なのは株価対策ではなく、抜本的な発想の転換による税制の大転換なのである。 そうすれば株は自然にあがってくるものだ。