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2001年03月29日
三原 淳雄

 
やがて世界的な金融相場が始まる
 

 昨年の世界経済は5%成長という極めて高い年となった。 年央からのネット株崩壊の影響はあったにしても、それでも異例な高さだったと言えよう。

 残念ながら日本はITブームに一瞬沸いたものの、その後は腰砕けとなり、この世界経済の高度成長に見事に乗り遅れてしまった。

 その原因は一言で言えば相も変わらず先送りの体質が抜けなかったことと、政治のリーダーシップが一番肝心時に自民党内の党利党略優先によって、すっぽり抜け落ちていた事である。

 本来であれば株価が二万円台を回復し、東証の時価総額が500兆円近くまで増加した昨年の今頃に、思い切った政策を打ち出し、21世紀の日本のあるべき姿を示せていれば、様子もかなり変わっていただろうにと残念でならない。

 おまけにこれまでただ1人頑張っていたアメリカがおかしくなってきたこともあって、日本はもとより世界経済も一気に悲観色が強くなってきた。

 マクロ面でみれば確かに楽観より悲観の材料が多いし、悲観論なら理路整然と述べることも出来るが、投資家であればこんな時には異なる視点を持つことも必要なのではないだろうか。

 いまや誰の目にも日本はもとより世界経済全体の様子がおかしくなりつつあるのだから、予想通り悪くなると読みたくなるのは自然な感覚だろう。

 しかし、一方でそうはならないための対策もいまや急ピッチで行われているのも事実であり、中長期的な投資を考えているのであれば、いまは目先の足元ばかりを見るのではなく、やや視点を高くしておくべきである。 もう既にアメリカは3度の利下げを行い、初夏には減税案も具体化してくる。

 日本も3月16日の日銀の実質的なゼロ金利策の復活と更なる量的緩和策も実行されはじめた。 おまけに日米首脳会談によって、たとえ首相が誰であれ世界第2の経済を持つ日本が、これ以上問題の先送りはしないことを約束させられてもいる。

 多分、年末ごろには世界的な利下げや景気対策が行われた結果、壮大な金余り現象が地球を覆っているのではないだろうか。

 金融相場の始まりが期待できよう。