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三原淳雄
 
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2001年04月19日
三原 淳雄

 
資産市場の活性化こそ不況脱出のカギなのだが!!
 

 緊急経済対策というと従来は相もかわらずの公共投資中心の財政主導の対策だったが、今回やっと市場対策に重点が置かれたことは素直に評価すべきだろう。

 今回の不況はバブル潰しが無策のま々断行され、なかでも不動産が目の仇にされたために不動産市場が機能不全に陥り、その後の不良債権の増加、金融システムの崩壊を惹き起こし、企業や家計のバランスシートが悪化し、資産デフレとなって不況を深刻化させているのである。

 そんななかで株式市場は辛うじて流動性を残していたために、不良債権処理のための場として利用され、持ち合い解消売りやクロス取引による益出しなどが盛んに行われ、そのため価格形成に歪みが生じる結果となっている。

 市場にはリスクがあるからこそリターンもあるのだが、そのリスクをヘッジするための出口が用意されていなければ、とても怖くて市場には参加できないだろう。 その意味ではいまの日本の不動産や株式の市場には、とても充分な出口が用意されているとは思えないのである。

 買うには買えても,売るには売れないのでは市場ではない。 今回の経済対策にやっと不動産市場の活性化案が入ってきたのは、遅まきながら市場への認識を、政策担当者が変えはじめたのではないだろうか。

 株や不動産の値下がりによる損失を、企業や家計も同じだが稼ぎで埋めようとすれば、気も遠くなるし実際カネを使う気にもなれないのは当り前である。

 値下がり損を埋めるには、何と言っても値上がり益がいちばんであり、資産市場を活性化させるのが何よりの特効薬なのである。

 財政赤字が666兆円もあると聞くと気も遠くなるが、バブル崩壊後土地と株で1,300兆円も失っているのだから、この損の半分でも取り戻すことが出来れば、日本中の気分も明るくなるし、国民の負担も軽くなるのは自明の利である。

 折からアメリカではFRBがあっと驚く金利の大幅引き下げを行ったのだから、日本でもたまには国民がビックリするような政策転換をやってもいいのではないか。

 しかし、現実はどうもそうはなりそうにもない。 折角の対策もまた小出しになって結局は市場を失望させるのだろう。 頑張れ亀井さん。