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三原淳雄
 
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2002年01月17日
三原 淳雄

 
始めよければ終わりもよしの年になって欲しい!!
 

 数々の王室スキャンダルやウィンザー城の火事など散々な年となった1992年に、エリザベス女王がその年を回顧した言葉が「アナス ホリビリス(今年はひどい年)」。

 さしずめその日本版が昨年の日本経済だろう。 本当にひどい年だった。

 株や土地は大幅に下落、おまけに社債やMMFまで安全ではなくなり、個人の金融資産もGDP(国民総生産)も目減りしたのだから、何のために一生懸命働いたのかと、ぼやきたくもなる本当にひどい年だった。

 しかしものは考えようである。 伸びるためには一度縮んだ方がジャンプ力が増すということもある。

 もともと日本にはぎりぎりまで追い込まれないと、本気なって変化に対応しないという一種のDNA(遺伝子)にも似た習性がある。 明治維新も戦後の復興も一度こてんぱんやられたからこそ、その後の目覚しい発展につながっていったように、今回もここまで追い詰められたからには、もう変わるしかあるまい。

 小泉首相風に言うなら痛みが本格化しなければ成長なしということなのだろうが、もう民間には痛みは充分に出ているのであり、民間はぎりぎりの選択を迫られているのだから次は政策である。 政策のよろしきさえ得れば株式市場はそれを好感し、株価が上昇するという形で反応するはずだがその政策がまだ全く見えない。 リスクキャピタル優遇税制や投資減税などで貯蓄優遇時代から投資優遇時代へと変わったことを政府は積極的に訴え民間の協力を仰げば、そこで人心は大きく変わるだろう。 特殊法人改革も大いに結構だが、構造改革のメッセージは税制と予算で表すのが本筋。 予算にばかりこだわるのではなく税制でも積極的に国民へメッセージを政府は送るべきである。

 いま何とか日本が持ちこたえているのも、株価が日経平均の一万円を死守しているからであり、これだけ状況が不安定な中でも、株式に投資してくれている投資家がいるからであることを当局はしっかり認識してくれなければ困る。

 どん底の日本を救い出すためには市場の活性化が何よりの特効薬であり即効性も高いのだから、今回の税制改正には市場と正面から取り組み市場の期待を裏切らない事が日本再建のカギ。

 大発会は300円以上の値上がりでスタートしたのだから、始めよければ終わりよしの年になってほしいものだ。