世の中とは間の悪い時に限って、次から次へと様々な問題が噴出してくる。
金融システム不安のなかでの不良債権処理の迷走、そんな事情とはお構いなしにペイオフは迫ってくる。
不安のタネは重なり合っているなかで、外相更迭,NY市場の下げなど次々に起きるものだから、とうとう株価は底が抜けてしまった。
東証の時価総額も、いまやたったの270兆円台にまで減ってしまったのだから、これから起きるであろう様々な危機に、一体どう対応しようとするのだろうか。
橋本政権から小渕政権へと変わった時の東証時価総額は約260兆円だった。
それが小渕−森・小泉と首相が3人も変わったのに、結局またもとの木阿弥に戻ってしまった。
流石にこの体たらくぶりに業を煮やしたアメリカが、日本には口出ししないはずのブッシュ政権も、このところ日本への危機感をしきりに日本に伝え始めている。
さるアメリカ人によれば「小泉は破壊だけ、その後の日本はアフガニスタン同様で砂漠になる」とワシントンでは心配しているらしい。
その心配も当然で、当の日本国民すら先が読めずに将来の生活の見通しが立てられないのだから、彼らが疑心暗鬼になるのも致し方あるまい。
こんな危機がそこいら中に溢れている時に、国会では「言った、言わない」論争をやっているのだから、株など買いたいと考える人などでてくるはすもなかろう。
「赤信号、みんなで渡れば恐くない」とばかりにバブルに浮かれ、そして今度は国民総出でバブルを潰して酷い目にあったのに、まだ「構造改革、みんなでやれば恐くない」とノー天気なことを考えているのだろうか。
小さな正論にばかり拘っていると、気がついた時には地獄にいたということになりはしないかと心配でならない。
杞憂であればいいのだが。
しかし、ものは考えようでこれだけ不安が重なると、市場はしばしば不合理な売られ方をするもので、よく目を凝らせば「フリー マーケット(のみの市)」で掘り出し物を探す人には絶好の出物がゴロゴロしているはずである。
馬鹿げた議論は阿呆な国会に任せて、ここはひとつ冷静な判断で市場を眺めることをお奨めしたい。
転換社債のなかにもこの十日間で60万円から80万円台へと20万円も上がったものもあるのだから。
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