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三原淳雄
 
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2002年11月01日
三原 淳雄

 
株式に係る税をゼロにしろ
 

 またも不毛の「鶏が先か卵が先か」の神学的な論争が始まった。 市場にとっては大変な迷惑である。 竹中金融音痴口先大臣の軸足に欠けた発言や、頑固なまでにいまや何の意味もなくなった30兆円に自ら縛られている総理のペアによって市場は迷走を余儀なくされている。 不幸なのは国民である。 毎朝目覚めると確実に資産が目減りしていくのだから、防衛策としては財布の紐を引き締めるしか自衛の方法はない。 かくしてデパートはガラガラ、タクシーは空車だらけ、結局緊縮家計はお互いにお互いの売上げを減少させる結果となる。 それぞれが正しい行為を行っているのだが、結果としてそれが合成の誤謬となり日本経済はデフレの深淵へと沈んでいく。

 不良債権処理に熱中している竹中一派を除けば、妙に白けた空気が国中に漂ってしまい、それを反映して株価は下がる。

 連中の議論を見ていると瀕死の患者を前にして、まず救命手段を論じるべき時に、生きながら血を抜く相談をしているとしか思えない。 きっとあの連中の血液には青い血しか流れていないのだろう。 だいたい竹中大臣は学問的な業績もないし、あるのは追い詰められると巧妙に切り抜ける弁明の術だけ。

 こんな不毛の議論ばかりに明け暮れていれば、不安定、不確実を最も嫌うリスクマネーはさっさと市場から逃げ出すのは当然である。

 いまやるべきことははっきりしている。

 まず手術の前に充分栄養をとって体力を快復させ、しかる後に手術を行うのが手順である。 自信を失いムード不況に陥っている国民の志気を高め、リスクマネーが安心して参加出来る市場の条件を整えれば、そうでなくとも歴史的な安値を叩き売られている株や優良な土地は息を吹き返してくるだろう。

 まず出来ることから手をつけることだ。

 それには株式に係る相続税をゼロにし、当分の間株式や不動産の譲渡益課税もゼロにすればいい。 たちまち市場は活性化するのは請合いである。 不良債権処理はそれからにすることだ。 空虚な神学論争は止め、現実的になるのが大臣の役目ではないか。