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三原淳雄
 
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2002年11月27日
三原 淳雄

 
まず国民を富ませよう
 

 この道はいつかきた道という歌の通りに、小泉政権はまたもや前車の轍を踏むことになった。 いま補正予算の額を巡って相変らずの騒ぎとなっているが、昨年も根拠もなく30兆円にこだわる首相のおかげで、11月の第一次補正予算はたったの2.9兆円。

 それを厭気して株価はそこから下げに転じてTOPIXは2月に922となり、あわてて第2次補正予算2.6兆円組んでやっと下げ止まった。

 早くやっておけばいいものを、何の意味もなくなった30兆円枠にこだわるから、そのツケは結局高いものになる。

 補正予算でももとはといえば国民のカネなんだから、つまらぬ面子など捨てて景気を活性化するべきなのに、勝手な公約にこだわるあまり株が下がって国民の財産を減らしてしまうのが小泉政権の悪い癖である。 そして再び11月となったが相も変わらずの茶番劇。

 小泉政権誕生以来、株式市場の値下がりでもう170兆円も時価総額が減っているのだから、不良債権も減るどころか増える一方だし、だいいちここまで体力を落としたら不良債権の処理など出来るわけもない。 舌だけはよく回るわりには知恵がない大臣も、この期に及んでやっとハードランディングが無理だと気が付いたようだが、手術の前には体力をつけるのが当り前ではないか。

 極めて判り難い新証券税制のため、取り急ぎいま売りに回っている個人投資家が、この安いところでは拾わなければ損と思うような証券税制を早急に導入し、ハゲタカより先に国民に儲けて貰うことを考えるのが政府のやるべきこと。

 株さえ上がれば人心も明るくなるし、つれて景気もよくなるのだから、いまは大量の補正予算と簡素で便利な証券税制の実現に政府は取り組むべきであり、国民を富ませると言う本来の役目に立った政策を、国民が切望していることを忘れない事だ。 いまの市場は先行き不安と疑心暗鬼で絶望的になっているきらいもあり、この不安が嵩じると、時として市場は暴力的になる恐れもある。 市場の暴力によって景気や経済が不当に壊されるような事態にならぬうちに、市場を明るくするのが政府の喫緊の役目であるのは言うまでもない。