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2002年12月11日
三原 淳雄

 
円安が日本を救うかも
 

 「農家の預金利息の税率が20%なのに、何故株の配当の税率を10%にしろと言うのか、それは公平ではない」と証券税制改正に際してクレームをつけた大臣経験者がいた。

 こんな人が資本主義国日本のもと経済閣僚だったのだから、日本経済がいつまでたってっも夜が明けないはずだ。

 この発言から読み取れることは、株式投資に対する偏見と依然として勤倹貯蓄がベストという考え方であり、ましてやリスク感覚など全くないと言えるだろう。

 預貯金の利子、利息は元本ともにリスクはゼロであるのに対し、株式投資には元本はもちろん配当についてもリスクが伴う。

 ノーリスクの利息とリスクのある配当とは全く性格が異なるのだから、リスクに対しては優しい税制で奨励するのが資本主義国の正しい税制のはずである。

 この発言の主は前にも「桜の花の咲く頃に日本の景気は良くなる」と言い続けて、外国人からは「日本の桜はいつ咲くのか」とからかわれていた御仁である。

 こんな人物が自民税調の中核に座っているのだから、日本の投資家も株式市場もいつまでたっても救われないわけである。

 もうそろそろ今年も終わり、来年からは複雑怪奇な新証券税制が始まろうとする時に、まだ税制を改善しようとする動きに対してこんな発言がでてくるのでは、経済の動きとは関係なく税制によって投資家が、株式投資を止めてしまいはしないかと本当に心配である。

 こんな国には早く愛想をつかして、海外へと移住なり資金を移すなりして自衛する方が賢いのではないだろうか。

 折から円も安くなりそうな気配も出てきたし、来年の日本経済の見通しもパッとしないことが判明してくるにつれ、円安の動きにますます弾みがつく可能性もある。 市場を動かす材料としては金融政策、財政政策が注目されているが、円安は手っ取り早いデフレ対策だし、円安が日本を救う事態もあるのだから、これからは為替政策も大いに注目しておく必要があるだろう。