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2003年01月30日
三原 淳雄

 
日本を買い始めた外国勢の意図
 

 景気予測は多数派が外れる、だから今年は面白い年になりそうな予感がすると、先々週の当欄でも申し上げたが、思いのほかその予感が確かなものになりそうになってきた。 何をとぼけたことをと思われる人も多いだろうが、世の中が大転換する時は何れの場合も大きく行き過ぎた後に起きる。 人間はとかく足元ばかりを見て判断するきらいがあり、そのため絶好調ならそれがずっと続くと考えるし、逆もまた同じになる。

 悪い時が続くと未来永劫に続くと思いがちになるし、事実出てくる数字は悪いので予測も当然暗くなる。 しかし悪ければ悪いなりに対策を考えるのも世の常であり、今年は日本国中挙げてデフレ対策に取り組む年になるだろう。 幸い欧米もデフレ気味とあって既にアメリカは何でもありのリフレ策に踏みきっているし、欧州もリフレ策を採るのは確実である。 いまごろデフレの心配をしているようでは遅すぎるのだが、やっと小泉首相もデフレ克服などと言い出してきた。

 ワールドデフレからワールドリフレに変わるということは、世界中がカネでじゃぶじゃぶになるのは確かであり、既にそれを先読みしてシカゴの商品市場のCRB指数はこのところずっと上昇している。 デフレで製品は値下がりしているなかで素材には実需が出始めているのである。 市場の最大の材料は変化である。 デフレがリフレへと変わるだけでも市場の雰囲気は一変するし、本格的なリストラに励む企業の収益は上昇する。 企業業績が上がればその株は買われるので、年末には何故株だけ高いのだ、不景気の株高ではないかとマスコミが騒ぐ可能性も高くなってきた。

 不景気でも好業績の株があがれば、不良債権処理もし易くなるし、金融システムも安定し土地などへの物色の気運が出てくるだろう。 日本のデフレは資産の値下がりによる資産デフレなのだから、市場の懸念も少なくなってくる。 既にリスクに敏感な外国勢が日本株を買い始めているが、きっと彼らのシナリオも私と同じなのだろう。

 総悲観になればなるほど、いい株が割安で手に入るチャンスでもある。 暗い世相にめげるのではなく、いまこそ市場へしっかり目くばりするべき時といえよう。