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2003年02月26日
三原 淳雄

 
政治家はETFを買え
 

 竹中大臣の「いまETFを買えば絶対儲かる」発言が論議を呼んでいるが、ETFを買うのならいまでなくて、もっと早く買っていて欲しかった。 かねがね日本の政治家は市場や株式について理解が乏しく、かつ市場に対して偏見すら持っているのではないか。 政治家こそ自分たちの政策への勤務評定として、もっと積極的に株なりETFなりを買って欲しいものだと唱えている身として、ETFを閣僚も買えという竹中大臣の考えはそれなりに正しい。

 ただ問題は今という時期と、絶対という言葉である。

 本来総理をはじめ全閣僚は政権を担当した時点でETFを買うべきである。 そうすれば自分たちの政策を市場がどう評価しているかも毎日自覚できるし、政権担当中に上昇すればそれは政策を市場が高く評価していることになるし、逆なら市場の通信簿も劣等生扱いとなっても自ら損をすることでいささかでも自己責任を取ったことになるからである。

 仮に小泉さんや竹中さんが政権の場についた時にETFを購入していれば、1万4千円が8,500円に値下がりしているのだから、彼らの経済政策を市場が全く評価していないと実感できただろうし、場合によっては落第させられても仕方がないと覚悟もするだろう。

 小泉経済音痴総理の場当たり発言や、それに加えて昨年秋以降の竹中ショックで株価は大きく下げてきた。 自分でショックを与え株価を暴落させておきながら、ここで絶対儲かるから買えと言うのはかなり問題がある。

 経済政策を自ら担当しているのだから、自分で下げて自分で上げられる立場にいるのを忘れているのではないか。 もし将来株価が上がる政策が腹中にあっての絶対という発言ならこれはインサイダーだし、かくたる自信もなしに絶対と言ったのならこれは「風説の流布」となるはず。 政権発足時に購入していれば何の問題もなかったし、むしろ政権担当者としては買っておくべきだったのではないか。 ETFを買うという発想は正しい。 ただタイミングが如何にも悪かった。 折角言い出したのだから、これに懲りずに今後全閣僚は就任時にまずETFを買うというシステムにして欲しいものである。