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2003年7月08日
三原 淳雄

 
グローバルなカネの動きに注目
合理的な判断で対応しよう
 

 相場とは本当に薄情なもので「もうはまだなり、まだはもうなり」という言葉通り、なかなか思い通りには動いてくれないものである。もういいだろうと考えて買うと更に下があるし、もういいころだと売ると更に上がるといった具合に投資家を悩ませる。

 今回も4月28日を底に約20%近く日経平均は上げた計算になるが、この上げにうまく乗るなど一般の人には至難の術だったのではないだろうか。しかし、だからといってぼやく必要もない。慌てずとも相場は明日もあるし、ばたばたするような投資では成功は覚束ないのだから、ここはじっくり人生設計も含めて次のチャンスに準備をする時だろう。

 何時も申し上げているように、市場は常に合理的な動きをするわけではないのだから、不合理な動きを見分けることが出来る人にとっては、いまのような相場は面白いはずである。人心が極端に冷え込み株など誰も見向きもしない時には、思いがけずバーゲン価格でブランド品が買えるようなもので、ブランドの価値を
自分で判断出来れば、合理的なショッピングが出来るのと同様である。

 今回の上げは世界的なデフレ傾向に対して各国が懸念をもった結果壮大な金余りとなって株に資金が流れてきたのが主因であり、ある程度の調整が終われば次は各々の企業の収益へと目は向かうだろう。

 株価にとって最大の材料はマクロよりも企業そのものの収益力や成長力であり、これからは森よりも木の選択が重要になってくるはずである。ここまでは売られ過ぎの反動高、振り子の調整みたいなものであり、本格的な相場になるためには企業収益の向上が欠かせない。もうひとつ大事なことは国内的には政治の動きであろう。もし小泉、竹中コンビが今後も続くのであれば、早晩相場は腰折れとなるだろうし、竹中更迭となれば安心買い、小泉退陣となれば大幅高といったシナリオを書きたいのだが可能性は低いだろう。また一方では国内政治の動きなど関係なく、世界を相手に頑張っている企業も沢山あるのだから、国内政治で市場が下げるような時には慌てず、じっくりとグローバル企業の不合理な株価を狙う戦術で対応すれば勝機は大きい。何れにしても世界のマネーは大きく動き始めたのは確かだから、グローバルなカネの流れに注目を怠らないことだ。