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2003年07月25日
三原 淳雄

 
株を美人投票にたとえたら、
どんな人に投票するのか
 

 株式投資はしばしば美人投票にたとえられるが、世界同時株高の勢いに一服感が出はじめたいま、自分ならどんな人に投票するだろうかと、改めて考えてみるのも今後の投資のために役に立つのではないだろうか。

 有名なウォーレン・バフェット氏やピーター・リンチ氏のような成長指向の投資家は、将来とんでもない美人になりそうな人に投票するだろうし、指数連動型でインデックス中心のパッシッブ投資家は身体の大きな人から順番に投票していくだろう。
小心な投資家なら、美人であるかどうかは二の次でキャッシュを沢山持っている人に惹かれて投票するだろう。

 今回の株価の反転上昇に参加した投資家を分類すれば、外国人は総じて将来の美人、もしくは現在の美人に投票しているし、日本の機関投資家は美醜の見極めが下手なのか、総じて見送り、投票に参加していない。

 また、野次馬にも似たディトレーダーと称する投資家が多数参加してきたので、投票結果が完全に二極化してしまったのも今回の特長である。

 本格的美人もしくは美人候補に投票した人たちは比較的値嵩株が中心だが、ディトレーダーの人気を集めたのは、美しさは二の次で手っ取り早くモノに出来そうな子ばかりに票が集まって、したがって、低位株のキワもの銘柄が中心のババ抜き相場になっている。

 将来美人になりそうな人が本当に美人になったとしたら、そのリターンは数十倍にもなるはずだが、ババ抜き合戦では5勝1敗でも負ける場合もある。だから株式市場が厳しいと言われる由縁だが、覚悟は充分なのだろうか。

 売られ過ぎた日本の株式市場の反動高にも一服感が出てきた折でもあり、改めて正気に返って眺め直すチャンスがやってきたようだ。

 毎度申し上げているように、市場はいつも合理的な動きをするとは限らないので、その市場の不合理な動きに気付いてこそチャンスはモノに出来ることを思い起こしていただきたい。自分はどんなタイプの投資家なのか、どんなタイプの人に投票するのかなど、まず自分の投資スタンスをはっきりさせることが必要だろう。いつの場合もそうだが、変化をうまくチャンスに変え、大きな資産を作るためには心底惚れることが出来る企業を選ばねば、大成功は覚束がないと心掛けるべきである。遊び心の投資なのか、人生を本当に豊かなものにするための投資な
のか、ぜひ自問自答していただきたいのである。