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三原淳雄
 
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2003年7月31日
三原 淳雄

 
マクロは三流だがミクロは一流
          変化の兆しが見え始めた
 

 ゴーン社長や星野監督のおかげで、元気を失っていた日本もやっと少しは元気を取り戻し始めた感がある。変わらねばならない時にぐずぐずして、なかなか変われないのが日本の国民性だが、自分が変わればあそこまでやれるんだという手本を、日産の社員とタイガースの選手が日本中に見せてくれている効果は大きい。

 たった一人の外国人の社長を連れてきただけで、官僚以上に官僚的だと言われ
ていた日産の社員があそこまで変わったし、万年お家騒動で天狗ばかりだったタイガースの選手たちも、星野監督のリードで信じられないほどの働きをしている。
つまり人間はリーダー次第で大きく変われるものなのであり、変われないと勝手に考えている社員や選手を放り出すのもリーダーの決断である。

 ゴーンさんの場合は多分日産に着任した瞬間にその成功を確信したのではないだろうか。

 何故なら前任地のブラジルの工場で働いている社員は、怠け者で泥棒まがいの社員たちばかり、真面目な日産の社員とではその質が大違いなのに驚いたに違いない。星野さんも同様で素質はありながら発揮できない選手たちを見れば大いにやり甲斐を感じただろう。要はリーダーが如何に部下たちに動機づけ出来るかなのであり、二人のサクセスストーリーの秘密がそこにある。この二人のおかげで日本全体にも変化の兆しが出はじめたような気がするのは私だけではあるまい。

 財政赤字を垂れ流しても平然と天下りの座にしがみつく官僚や、その官僚すら御せない政治家などを頼りにしていては、決して日産やタイガースにはなれないことを、世の多くの経営者が気付きはじめたのは確かである。

 マクロ的に見れば当分日本はまだ三流なのだろうが、その三流国の三流経済のなかからも、ミクロで見れば超一流になれる企業がこれから続々と出てきそうな気配が強くなっているのは心強い。

 本来日本国民の素質は大変優秀なはずであり、要はそれを生かしきれていなかったのがこれまでの規制やシステムだったのであるが、この二人の成功はそのタブーを破り、自信を回復すれば成功出来ることを教えているのである。

 下げ過ぎの反動で石も玉も一斉に上げてきた株式市場だが、ここから先は自信をもって心底惚れることの出来る企業を探す動きに変わってくるだろう。政局などとは関係なくこの二人のように一流であり続ける企業がきっと見つかるはずである。