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三原淳雄
 
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2003年09月19日
三原 淳雄

 
ハッキリしてきたデフレからリフレへ
                   1万2,000円も視野に
 

 テレビ東京「モーニング サテライト」(テレビ大阪、テレビ愛知)の槙アナウンサーに、今年の年初に放映した「三原淳雄の10大サプライズ2003年版」の復習をしたらどうかとのアドバイスを受け、改めて10大サプライズを取り出してみた。

 「フセイン亡命」「米京都議定書調印」「原油価格25ドル割れ」など全く的外れのものもあるが、我ながら驚いたのは「日経平均1万2千円」「NYダウ11000ドル、ナスダック2000ポイント」「個人投資家復権、キャピタルフライト(海外への投資)20兆円」など、当時としてはかなり思い切って予想したつもりが、意外にも当りそうになってきたことである。
 年初の雰囲気は決して明るいものではなく、年賀状などにも今年に期待するという明るいムードは少なかったのだが、だからこそ日経平均やNY市場の反発を予想したくなったのである。当時のムードはデフレ一色であり、日本発デフレがグローバルデフレを起こすという懸念も強かった。デフレ懸念が強まれば投資マインドは冷え込み、資金は国債などへ向かう。リスクを回避する心理が強くなり、つれて利回り選好が強くなるのは当然であろう。
 しかし、当欄でも再三指摘したようにデフレ懸念が強まれば、各国の金融当局は思い切った金融緩和策を打ち出してくる。なかでも低迷が懸念されたアメリカではグリーンスパンFRB議長が大幅な金利の引下げや金融緩和に踏み切っていたし、デフレ懸念の高まりはリフレ政策を促し、グローバルリフレにつながり壮大な金余りとなる。グローバルな金余りである。
 そのリフレ策によって債券市場にまずカネがどっと流れ込み、ご案内のような世界同時金利の大幅低下となって、日本でも10年もの国債の利回りがたったの0.43%まで下がったのであるが、金利の大幅低下は相対的に株式の魅力を強める。とくに配当利回りの高い銘柄には資金が流れ込む。

 またリフレ現象がハッキリすると、今度はリスクをとってキャピタルゲインが狙い易くもなる。いまの世界的な株高の背景にはデフレ懸念がリフレ懸念へと大きく変わったカネの流れがあるため、当面は下げたらすぐ買われるという動きを繰返しながら1万2000円突破へと向かう公算が強い。