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三原淳雄
 
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2003年12月12日
三原 淳雄

 
不安、不満、不平がチャンスかも
 

 国民の気持ちなどそっちのけ、すっきりもしていないし責任感も全くみられない年金改革、カネがなくても造り続ける高速道路などの、ロケット打ち上げ失敗、足利銀行破綻ではりそな銀行とは異なり株価はゼロ、6カ国協議で拉致問題は北が拒否、イラクでの日本外交官へのテロ、自衛隊派兵問題の迷走などなど不安が重なっているためか、市場には不安感が広がっている。

 何とか一万円の大台は保ってはいるものの、ひところ感じられた熱気は失われている。不安感が解決したわけでもないなかで取り敢えず株価は高止まりしている格好だが、雰囲気もセンチメントも悪くなってきた。

 「状況をみて考える」というお得意のワンフレーズで小泉首相は全てを先送りしているが、いまや改革そのものの行方すら見えなくなってきた。はっきりしているのは小泉流とはブッシュなど強いものには気を使うが弱いものには厳しく対処(足利銀行など)していくようである。

 この小泉政府の迷走は床屋談義としてはなはだ面白いのだが、面白かってばかりもいられない。弱いものなりに対応策をしっかり立てなければなるまい。今年の流行語大賞に「300万円」があるが、年収300万円の人生が著者の言うほど楽しいはずがない。年収300万円をどう活かして人生を楽しくするか、それを考えるべきだろう。

 そこで市場の出番である。その市場を本気で活用することを考えるのであれば、株価は低ければ低いほどチャンスは大きくなると理解していただきたい。会社の価値が変わったわけでもないのに株価が何かの外部材料で大きく下げることもある。こんな時こそブランド品のバーゲンセールと同じと考えて見ればいい。価値は同じで価格が下がればいい買い物となるように、株式投資のコツも要は買うタイミングなのである。株価が上がると熱くなる人が多いが、本気で資産を増やすのなら安くなった時こそ熱くならねば大勝は出来ないだろう。

 いま日本が抱えている様々な不安の多くは、センチメントとしては不安に違いないが、企業の価値そのものを大きく脅かすものではない。

 漠としたこれらの不安が原因で株価が大きく下げる場面があれば、そこは目の色を変えていい株を探すチャンスなのである。小泉さんや竹中さんに頼っていては人生は拓けまい。