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2004年3月15日
三原 淳雄

 
トレンドは強気へ転換
 

 どの市場でも言えることだが、市場で決まる価格がいつも合理的なものとは限らないということを、市場に参加する際には知っておくといいだろう。その時点での全体のムードによって、時として上下に大きくぶれるのが市場の特性なのである。楽観的なムードが行き過ぎれば天まで届く木があると考えバブルになるし、逆に悲観が極まると底無し沼に落ちると考えるのが市場の心理だから、時として思わぬ不合理な高値や安値がつくことになる。

 したがって市場に参加する際にはその時点での価格が、如何なる市場心理のもとで決まっているのかに注意する必要がある。

 過去10年以上にわたって日本の株式市場は悲観的なムードに支配され、いい材料よりは悪い材料に過大に反応する傾向が強く、そのために思わぬ安値にまで叩き込まれることもしばしば起きた。企業の実体以上に売られる不合理な状況になる場合の方が多かったのである。しかしこの不合理な株価も上昇基調に転じると徐々に合理的な見方が増えてくるために、株価も合理的な判断で売買され決定されるようになってくる。投資家も悲観ムードの間は株式への関心も薄くなるので銘柄の検討などする気にもなれなかっただろうが、株式市場に活気が戻ってくれば真剣に検討するようになる。つれて株価も次第に合理的な水準を求めて動くようなるのである。

 しかしそうはいっても個別に数銘柄に絞り込むのは容易なことではない。

 そこで大方の投資家は腰が引けて模様眺めになるのだが、そんな時には投資信託にでもまず投資してみるのも一法だろう。

 日本での投信への評価は残念ながらこれまでの運用実績がはかばかしくないために、諸外国に較べて評判もいまいちだし、どちらかと言えば敬遠される傾向があるが、上昇基調に変わりつつあるいま改めて検討してみるべきだろう。

 とかく株式や投信を買うと、すぐ大きく値上がりしなければ不満と感じる人も多いが、いまはゼロ金利の時代なのだから、投信には着実に利回りもあるし、上昇相場にはそれなりについていけるという利点がある。投資には大局観が不可欠だが、長い低迷を抜け大きく脱皮しつつある企業の数も増加しはじめ、まだこれからも増えていくだろう。超強気に転換するには警戒が必要だが、弱気は排して資産を市場に移すことを考える転機と考えたい。