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プロフィール
三原淳雄
 

2004年04月16日
三原 淳雄

日本再生ではなく新生日本
 

このところの株高のおかげで、時価総額が350兆円を超えてきた。

ご同慶の至りである。株高とは有難いもので例年の年中行事となっていた3月危機も、今年はあっさりと乗り越え、現金なものであれほど毎年3月危機を騒ぎ立てていた雑誌などのマスコミも、いまや「すぐ儲かる株」の記事ばかり。節操がないとはこのことだろう。悪い時にはいますぐにでも地獄に落ちる、よくなれば一転して急がないとバスに乗り遅れる、今度の株高は天まで届くと囃し立てるのだから、無定見な読者や投資家は結果としていつも底で売り天井で買うことになる。付和雷同ばかりしていてはロクなことにはならないのだが、とかく上がらないと買わないという日本の投資家の性向は、いつまでたっても直っていないようだ。

肝心なのはトレンドとサイクルを混同しないことである。

90年代はトレンドが右肩下がりだったから、日本株をいくらいじくっても失敗ばかりするのは致し方あるまい。おかげでひどい目に会ったのだが、今回はトレンドはどうやら上向きに変わったのは確かであり、長い間(13年間)続いた落ち目の日本も、やっと転換しそうな動きになってきた。

 しかしトレンドは上向きに変わっても、サイクルは常に上下に揺れるのが常であり、うっかりサイクルに騙されて手を出すと、しばらくは身動きとれなくなる恐れもある。

 おまけにいまは国の形自体が大きく変わっている。人口や年金は減るし社会保険料は上がる。加えて中央と地方、大企業と中小企業、製造業とサービス業、高齢者と若年層といった具合に二層化が進みつつあり、どの層に属しているかで、景気回復の恩恵を受ける度合いも大きく変わってくる時代になった。また同じ業界でも明暗がくっきり分かれる時代であり、絶好調の自動車業界でもトヨタ・本田・日産を除けばまだ苦戦中というのが好例である。

 つまり今後の日本経済や株式市場を見るためには戦後の日本の経験は役に立たなくなっているのであり、全く新しい視点で日本を見る習慣を養わなければならなくなったのである。よく日本再生という言葉が使われるが再生とは元通りになること、しかし今回はもう元の日本には戻るはずもないと心得て、日本新生、新しく生まれる日本の担い手に焦点を合わせるべきだろう。