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プロフィール
三原淳雄
 

2004年06月17日
三原 淳雄

リスクキャピタル優遇税制を
 

税制は政府の国民に対する最大のメッセージであり、そのメッセージの伝え方で民意は高揚もするし幻滅、失望もする。
 国民にとっても税制は最大のインセンティブであり、税制が正しく働けば国民も楽しく働ける事になる。

北欧諸国の経済発展ぶりがよい例として注目されているが、かつては社会保障の行き過ぎが重税となって経済を疲弊させ、富裕層がどんどん国外へ脱出して国として倒産したという苦い経験をしている。
金融システムはガタガタになり、モラトリアムまで実行せざるを得ないという国家破産の憂き目にあったのである。
そのため税制を抜本的に見直し、年金なども大改正していまの北欧に変わっていることを忘れてはなるまい。よくなった北欧も大変な時期があったのだが、それを立直したのが税制なのである。

ところがその北欧の失敗から何も学ばず、取り易いところから取るという我が国の税制は全く変わっていない。
今回の金融所得一体課税案などその最たるもので、株式市場が活性化したことによってそこに税の網をきめ細かくかけようとしているだけであり、税制改正なんて呼べる代物では到底ない。
かつての貧しい日本だったころの税制がそのまままだ骨格となっていて、その後も目先の手直しばかりで、豊になった日本にふさわしい税制とはなっていない。

これからの日本の生きる道は豊富な金融資産の活性化しかない。そのために間接金融から直接金融へと、国策も大きく変わったはずである。だとすれば稼ぎを中心としたフローの税制と、リスクのある資産をよりリスクに挑戦で出来るようにストックの税制と分けて考える必要があるのではないだろうか。

リスクキャピタルの育成なくして少子高齢化が進む日本の前途は拓けないことを、税制で国民に伝えるのが政府の役目のはずである。目先を縛ってばかりに終始すると、志のある富裕層はかつての北欧のように国外へ脱出してしまうであろう。そうなったらもうこの国はお終いである。
そうさせないためにも勇気ある資金には、その勇気に対して報いる形の税制を準備し、出来れば外資の導入も併せて図ることである。
政府税調はそのためにあるのではないだろうか。