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プロフィール
三原淳雄
 

2005年02月09日
三原 淳雄

平成の大本営発表に騙されるな
 

 日本の景気について政府と民間のエコノミストたちの間で大きく意見が分かれている。民間側は先行き楽観論が少ないのに対して政府の発表は強気一色。いまは休みだが何れよくなると、まるで太平洋戦争時の大本営発表さながらの強気ぶりだが果たしてそうだろうか。 
 確かに一時に較べれば状況は大きく好転しているが、それも民間の企業の血の滲むようなリストラや米中経済の好調によって支えられたからであり、そのため7,000円台まで下げていた株式市場も一万2千円近くまで回復してきた効果によるものである。 
 政府の言うように「小泉改革が効を奏して景気は着実に回復している」のなら、国民の間に先行き不安感などが漂うはずもないのだが、実際には先行き不安を感じていない国民の方が少ないのは何故なのか、改めて小泉改革なるものを検証する必要があるだろう。 
 株価は安値から回復してものの、森内閣から引き継いだ時点の一万3,800円にはまだはるかに及ばないし、改善したと大きな顔をしている失業だって、ニートやフリーターが求職を諦め統計から外れただけのこと。 
 決して失業者が減ったわけではない。 
 リストラに依然として励んでいる企業もまだ多く、松下にいたっては絶好調でも人員は削減しているほどだから当然民間所得は伸び悩み、貯金の取り崩しが始まっている。 
国の負債だけはうなぎ上りで予算のかなりの部分は国債費であり、景気刺激策には予算は用いられていない。にもかかわらず景気は着実に回復しているのだから、さあ今度は税金を払えとばかりに増税策だけは目白押しである。構造改革が成功し所得も雇用も増え、自殺する人が激減しているなら増税もいいだろう。しかし現実には生活保護世帯は平成11年の70万世帯の100万人から平成16年には100万世帯の140万人と増えているのだから、「改革の成果で景気は着実に回復している」とはとても言えないだろう。 
 経済オンチの首相と舌だけはよく回る大臣に騙されないようにしないと、折角の民間の努力の果実が実らぬうちに税金でもぎ取られてしまうことになる。 
 改革の成果など出ていないし、増税に耐えられるほどの国民の生活は向上していないのが現実なのであり、かつての大本営発表のような「負け戦を勝ち戦」と国民に嘘をつき通した政府発表にはくれぐれも騙されないことだ。