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プロフィール
三原淳雄
 

2005年07月26日
三原 淳雄

健忘症ニッポン
 

ロンドンやエジプトでのテロ・中国人民元の小幅切り上げなどなど、グローバルな出来事がやつぎ早やに続き、目先のニュースばかり追っかける移り気なメディアはタネにこと欠かない。そのため本来もっと深く掘り下げて国民に問うて欲しいことが、いつの間にかあっさり忘れられてしまうきらいが強い。困ったことだ。 
 増税論議などその典型だろう。政府税調プランが出た当座こそ、メディアはこぞって大騒ぎしていたが、いまや誰も話題にしないし、深く掘り下げてしつっこく報じるメディアも見当たらない。政府にしてみればこれでもうガス抜きは終了。税調会長が泥をかぶっただけで予定のコースを粛々と進んでいくことになりそうだ。いつものことながら羊のように温和な国民は、内心ではブスブス言いながらも、長いものにはまかれろで終わってしまうのだろうかと考えると、当方は憤怒で夜も眠れなくなりそうだ。 
 もうひとつ、すっかり忘れられてしまったのが前号にも書いた経産省職員の1年間の株式投資自粛というニュースである。 
 これは由々しき大問題であり、そうでなくても日本では何故だか株取引は悪だと見下す人が多いなかで、役所が、それも日本経済の中枢を担う推進役であるはずの経産省が、株取引の禁止などやってくれれば、株に対する誤った認識を持っている人たちには、やっぱりそうかと思わせるであろう。 
 これからの日本は保有している膨大な個人や企業のキャッシュを活用して、投資や金融を中心とした国に変わらねばならず、またグローバルに活躍する日本企業をもっと株主として応援していく国にしなければならないのに、その本山が株取引禁止では「いったい資本主義や市場経済を本当に理解しているのか」とこれまた怒りに身体が震えてくる。中川大臣はもともと金融界出身なのに、それも最も市場に理解が深かった興銀だったのだから、遅きに失しないうちに前言を訂正し、悪いのは株ではなく不祥事を起こした裏金やそれを悪用した役人であることを国民にキチッと判らせ、むしろ経産省の職員には正しい株式投資をさせるべきであろう。 
 ケータイでオレオレ詐欺をしたからといってケータイを禁止したり、自動車事故で死者が出たからといって自動車を禁止するのと同じではないか。株に投資したこと自体が悪ではなく、裏金(公金)を使ってインサイダーまがいの取引をした本人が悪いのである。株式投資の自粛は無知で無恥を自ら白状したようなものではないか。