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プロフィール
三原淳雄
 

2005年12月09日
三原 淳雄

これからは「高々低々」の時代
 

 「飢しても盗泉の水は飲まず」、かつての日本のエリートの気概はこの一語に尽きる。 
 選ばれたものの責務は高潔である、と昔の官僚やいわゆるサムライ族、つまり士のつく選ばれた職業に就いている人たちは、それが当然の義務だと心得ていたものである。 
 だからこそ皆から尊敬もされ信用もされたのだが、カネが妙に幅を利かせる時代になったためか、むしろその地位や権威を金儲けの道具としか考えない輩がやたら増えてきた。難しい試験を通ってきたはずの公認会計士や一級建築士のなかには、盗泉の水を競って飲む輩が出て来たし、日本で最難関と言われる東大の医学部の学生が麻薬で捕まったりと、まるで末世的現象を呈しているのは何故なのだろうか。 
 拝金主義に堕した日本全体のムードもあるのだろうが、単なる受験のテクニックを身につけさえすれば合格するし、合格してしまえばもう何をしようが全て金儲けにつながると飛んでもない錯覚を起こさせる社会になってしまった感じがする。その深層はどうも単純ではなさそうである。 
 かつてのお役人は頭脳が明晰なことはもちろん、人格も高潔で志の高い人たちがなるものだと本人も世間も認めていたが、いまや老後の天下りを考える学生が役人になっているし、高校は人格を養う場ではなく、そういった学生を作り出す場となっている。 
 何もこれは役人とか士(サムライ)族に限らず、家庭も同じで主婦は子育てを放り出してコンピューターにかじりつき、デイトレードに精を出し、おまけにあろうことか恥ずかしくもなく自分がこれだけ儲けたと本にしているし、学生は学生で勉強そこのけでこれまたデイトレード三昧、学生の本業は勉強だろうが。たまさか小銭を持ったばかりに身を滅ぼした奴の方が多いことぐらい知っておくことが先ではないのか。 
 しかし世の中はそんなに甘くない。これからの時代は間違いなく「高々低々」になるだろう。つまり高品質のものは高く売れるし、低品質のものは所詮低い値段しか売れないということである。学識は無論のこと人格高潔で志の高い人は必ず高く評価されるようになるだろうし、小銭稼ぎに精を出している連中には何れ自分の値段が下がっていることに気付かされるはずである。 
 市場とは正直なもので、いまやデイトレーダーどもに荒らされている市場も、価値の高い企業とそうでない企業とに二極化されていく。投資家も志の高い投資家が充分に報われる時代がくるはずである。 
 社会の公器でもあり同時に国民共有の財産である株式市場を、さながらパチンコやスロットルと同一視している連中は、必ずや市場からしっぺ返しを喰らう破目になるのがおちだろう。まあそれも自業自得だが・・・・。