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プロフィール
三原淳雄
 

2006年05月19日
三原 淳雄

落ち目の三度笠政治
 

 「カネと情報には国境も時差もない」時代には世界同時不況とか好況とかに、しばしば世界で同じ動きになることが多い(もっとも90年代の日本は下手くそな経済運営のため圏外に放置されたが)。 
 分かれていた水が同じ器に入れれば平均化するようなもので、いまやカネも水と同様高きから低きに流れ割安な市場は訂正されていく。これまでの日本の株高などその好例だろう。その株式市場もいまは割安な市場の訂正が終わり平均化され、ヘッジファンドなどは次なる獲物を求めて為替や商品を物色している時期とも言えるだろう。だんだん割安な市場が少なくなり、そのためこれからは雨後の筍のように出てきた各種ファンドも、運用先を見つけるのが苦しくなってきそうである。とは言っても世の中理屈や変化はいくらでも見つけられるし、人心が揺らげば揺らいだでそこにまたチャンスが出てくる。 
 各国市場の勢いが失われつつある状況に歩調を合わせたわけではあるまいが、このところ先進国の政治のグリップのゆるみが目立つ。小泉首相も任期切れを控えて人気も落ち気味だし、ブッシュ大統領はいまや支持率30%となり、完全にルームダック化しつつある。イギリスのブレア首相の人気も急落、イタリアではついにベルルスコーニ政府が失墜、フランスのシラク政権も雇用法で躓いた。 
 お隣の中国や韓国、北朝鮮も強力な政権と呼ぶにはいささか無理の目立つ状況だし、そうなってくると権力者はとかく外に国民の目をそらすようなことを仕出しがちとなる。 
 本来は政経分離であって欲しいのだが、作為的に外国との関係をギクシャクさせる動きが強まると、市場は当然それなりに反応せざるを得ないので、当分為替から目を離せそうになくなってきた。経済のファンダメンタルズや金利差ばかりではなく、落ち目の指導者たちが何を仕出すか、世界同時落ち目の三度笠政権の揃い踏み状態となっているだけに、市場外の要因にも大いに気を使わねばならない季節になってきたようだ。世の中なかなか思うようにはならないものだ。