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プロフィール
三原淳雄
 

2006年09月19日
三原 淳雄

今年も終盤戦へ
 

 今年も残り三ヶ月、終盤に入ってきた。 
  年明けはライブドア事件など波乱はあったものの、‘05年5月以来久しぶりのいい相場が続き、4月には日経平均も1万7,500円台と6年ぶりの高値を更新した。 
 この上昇相場をもたらしたのは米経済が2年以上にわたりインフレなき景気拡大を続け、中国も米国景気によって成長したことが大きい。 
 わが国経済にも小さな政府、民間主導という改革が効を奏し、企業のリストラ努力に加え米中好景気による外需の支えもあって企業業績は劇的に改善し、結果としてマクロ経済にも及びそれが市場を活性化させたという改善の好循環が見られることとなった。06年の序盤戦は極めて順調な滑り出しとなったのだが、中盤にかかってくるとやや異なる様相を呈するようになり、波乱含みとなってきた。 
 世界経済の好調は一方で資源高となり、金融政策のみでのインフレなき成長に限界が見えはじめ、FRB議長の交替も市場心理に影響を与えることになった。インフレを抑制するためには景気減速という犠牲が必要ではないかと、市場が疑いはじめたのである。 
 06年の各市場は中盤まではほぼ同じ歩みとなり、日本の新興市場の波乱は他国の新興市場の下落につながり、同一の不安を共有していることが明らかになってきたのも、これまでの市場の特長であろう。 
 アメリカの17回にも及ぶ利上げもやっと効果を見せ始め、米景気を支えていた住宅価格にも減速感が出て来たし、米GDPも第一四半期のプラス5.6%が第二四半期にはプラス2.9%と減速が明らかになってきた。 

オープンとイノベーション

 序盤の好調から中盤には波乱に転じた市場の動きだが、終盤も波乱含みながら、何れその性格をはっきりさせてくるのではないだろうか。世界同時株高の時代には次から次へと割安な市場、割安な株価を求めて潤沢な資金が世界中をヘッジファンドを筆頭に回遊していたが、割安な市場の訂正高が一巡したこれからは、より個別的な選択が強くなってくることが考えられる。 
 中盤の波乱を通じて既に国別、企業別の格差がハッキリしはじめてきたし、幸いマクロの景気の基調も大きく悪化する懸念も少ない。 
 市場には依然として原油価格、景気、金融の三つの要因の絡み合いが懸念材料として残るが、ここにきてFRBの利上げ停止の動き、インフレ懸念の後退、商品市場の軟化という動きも出てきた。 
 世界的な過剰流動性が商品市場を押し上げ、その資金がまた株式市場を押し上げるといったパターンにはやや変化が出てくることは予想されるものの、生産性の向上が期待できる企業や、省エネ関連などは積極的に物色される展開になりそうだ。日本も新政権の経済政策は改革なくして成長なしから、持続的な成長を目指すと変わっているし、安倍政権のキャッチフレーズの「オープンとイノベーション」は終盤の市場のキーワードになりそうである。 
 相場とは懸念が残る時こそチャンスなのであり、むしろ「一点の曇りのない」時の方が怖いということを忘れないことだ。