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プロフィール
三原淳雄
 

2007年01月19日
三原 淳雄

本当の自助努力
 

いま日本では、新旧2種類のお札が通用していることはご存知だろう。 
 一万円札を例にとればホログラムつきが新札、なしが旧札である。 
 さて、そこで問題です。「いま市中に出回っているキャッシュは約73兆円ほど。そのなかでまだ旧札がいくら残っているのかご存知でしょうか?」 
 もう忘れてしまうほど以前から新札が出回っていることを考えると、このごろはほとんど旧札を目にしないし、感覚的にはせいぜい3〜5兆円くらいと思われるだろう。 
 ところが実際には、まだ約26兆円もの一万円札が旧札のまま市中に残っているのだそうだ。約三分の一強である。 
 旧札が実際に使われるとどこかの時点で日銀に戻り、自動的に新札に切り替わるはずだから、この26兆円は使われずにどこかに仕舞い込まれているのだろう。つまりタンス預金か貸金庫、ひょっとしたら壷に入れて床下に埋められているのかもしれない。 
 物価はデフレ気味の状態が続いているし、銀行に預けても金利もつかない。 
 また最近はATMなどで引き出さねばならないし、手間暇を考えるとキャッシュで手元に置いておきたいなどなど、それなりの理由はあるのだろうがなかでもどうやら、最大の理由は相続税らしいと見当がついた。 
 そんな心配などしたことがない身としては想定外だったが、資産家にとっては何よりのリスクは相続税だとのこと。 
 これって日本の何かがおかしいのではないか。多分根底には相続税は金持ちだけの問題だから相続税で取るのが当然という風土がるからではないか。そうでなくとも「金持ち優遇は怪しからん」とすぐマスコミなどが小さな正論を唱え、ことを面倒にしてしまうお国柄もあって、実際には大変な金を持っているのだが、ヒルズ族みたいな馬鹿な金は使わず、子孫のことを考えて隠しておく人が多いからだろう。 
 だから世界のジョークに「アメリカ人は寄付をして死ぬ。イタリア人とフランス人はスッテンテンで死ぬ。死ぬときに人生で一番金を持っているのが日本人」なんて言われてしまう。使えないカネを持っていても仕方がないとはなかなか考えないようだ。 
 これは国民経済全体から見れば勿体ない話である。そうでなくてとも消費の伸び悩みで、日銀が泣く泣く金利を据え置かされているのが現状なのだから、金持ちには金を使って貰うことを考えるのがスジだろう。 
 そこで提案したいのだが、この際思い切って小さな正論を振り回すことは止めて、金持ち優遇策を条件付きでやってみてはどうだろう。たとえばいま存亡の危機に瀕している夕張市を「相続税ゼロ特区」に指定し、住民票を移して年間6ヶ月、三年以上住めば相続税をゼロにすれば、あっという間に希望者が殺到し、市の税収も増えるだろうし、レストランはじめ仕事も増え人口も増える。相続税がゼロになるならと金もどんどん使うはず。 
 政府や行政に別に頼らずとも、自力でたちまち見違えるような町に変わるだろう。 
 新しい町づくりには美しい町を作れ、つまり田園調布の北海道版という条件をつけてもいい。 
 動機はともあれ、結果として美しい人心も育ってくるのではないか。それこそ美しいニッポンを自分たちで作れる格好の前例になるのは間違いない。