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プロフィール
三原淳雄
 

2007年08月17日
三原 淳雄

強欲の宴の終り
 

 人間絶頂期には、とかく忘れられ勝ちになるのがごく当たり前の世の中の慣わしだろう。俗に「うまい話はない」「いいことはいつまでも続かない」「上には上がある」といったごく当り前のことである。 
 人間いつまでたっても煩悩と道連れだから、絶頂期にはのぼせ上がってこの三つをつい忘れるし、思い出したときには手遅れとなる。 
 いつまで経っても懲りないのが人間の性なんだろうが、いま大騒ぎになっているサブプライムローンなどは、将に世界的に懲りない人々がプロと称する連中も含めて大勢いることを浮き彫りにしているようだ。昨年末のウォール街のボーナスがまるで常軌を逸していたあたりから、そろそろ宴の終りに気付いてもよさそうなものだったが、サブプライムの問題に限定的だとか、広くリスクは分散されているので多少損が出ても軽微なものであろうとか、これまた人間が陥り易い「根拠のない楽観論」が支配的だった。 
 チンピラトレーダーがまるでミートホープ製の肉いりコロッケにも似た金融商品を法外な手数料で広く世界中に売り捌き、チンピラセールスまでウン千万円のボーナスを貰っていたのだから、とてもまともな姿ではない。 
 何れ罰が当るとは思っていたのだが、信用という商品をかさ上げして売りまくったツケが、こちらにも回ってきて、飛ばっちりを食らうという迷惑な事態になってきた。 
 年末の法外なボーナスの源泉が、信用を金融商品化しデリバティブなどを利用して拡大化された手数料によるものであり、一般の投資家にしてみれば何だか架空の国の出来事と思えたできごとが現実となり、世界的に株安となって実害が出てくるに及ぶに至り、何が何だか判らないため疑心暗鬼となり、買いは手控え売りは急ぐという市場に変わってしまった。 
 いまや実体経済に較べ途方もないカネが動いているのが市場であり、ブドウ状菌みたいなつながりでデリバティブなど利用した極端な超流動性だった市場が、一夜にして信用の収縮を心配しなければならなくなっている。あちらこちらの市場と鎖のようにつながっている時代だからことは始末が悪い。 
 信用というおぼろげなものを商品化していたのだから、いったん信用が崩れたら取り戻すのは容易なことではない。市場の動揺はまだしばらくは収まるまい。しかしここで忘れてはならないことは、だからといって地上全ての市場や企業が消えてなくなるはずも無いことである。 
 こんなバカ騒ぎとは関係なく、地道にしっかり経営されている企業も多いし、浮かれていない経営者も多い。長期投資家にとっては世間が騒げば騒ぐだけ、むしろチャンスは広がると考える時だろう。 
 英語で強欲のことをグリーディという。 
 グリーディな連中がもっともっとと欲張った挙句の騒ぎなのだから、冷静に合理的に判断出来る投資家にとっては、むしろ好機到来と考えるべきだろう。バフェットの名言「買うのは企業、株価ではない」を改めて噛みしめ直す時ではないか。