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プロフィール
三原淳雄
 

2008年03月13日
三原 淳雄

長寿はいいことか?
 

 飽きっぽいことにかけては、多分日本は世界一だろうから、よくもまあ飽きもせず延々と候補選びをやっているものだとアメリカの選挙戦を見て、そう思う日本人も多いだろう。日本はアメリカと対照的に、どうでもいいような小さなことに血眼になり、テレビにつられて日本中がそれ一色になる。最近でも餃子騒ぎはすぐイージス艦に移り、サイパンで人品骨柄問題ありジーさん(人のことは言えないが)が捕まると、日本中のテレビ局がサイパンに群がり、そして今度は女子マラソン、そして石原都知事の辞めろコール、女子マラソンなどはもうオリンピックでメダル確実みたいな騒ぎとなっているが、万が一そうならなかったら今度は掌を引っくり返すのも目に見えている。新銀行東京にからむ石原知事バッシングも始まっているが、彼の権勢揺るぎなき時に文句をつつけたメディアは見たことがない。 
 弱きを助けて強きをくじくのがメディアの本質のはずだが、よくもまあ落ち目の人間ばかり探し出して叩くものだと飽きれている。 
 この間にも日本は何か最も大切なものを失っているような気がしているのだが、誰も気がつかないのだろうか。 
 気が付いていて黙っているとすれば、戦前の大政翼賛会時代のように、いつの間にか少数派はよってたかってバッシングされ、非国民というおぞましい言葉が再現されそうである。昭和の初期ごろの日本は言論は花盛りで、自由闊達な国だったのに、軍部が台頭してきてクーデターや暗殺が始まり、軍の横暴を非難出来なくなり、戦争に突っ走ったことをもう忘れたのだとすると、これは極めて危ないことである。国民全員の不作為の罪と言っていいだろう。 
姉歯建築士に端を発した改正建築基準法が結果として多くの建設業がらみの倒産を誘発したように、小さな正論は時として災厄をもたらすのである。 
 農薬漬けの中国農産物の輸入禁止を叫ぶなら、まず自給率を高めなければならないが、野菜がすぐ増産できるはずもないし、だいいち農業自体がへとへとになっていることの方がより問題だろう。サイパンのジーさんや道路より食料問題の方がより切実なはず。 
 アメリカの予備選を見ていると、時として感情論も出てくるものの、あの論戦を聞いているだけで、政権を誰に委ねるべきかを国民が自ら選択出来るのだから、これは羨ましい限りであり、日本にいま最も必要なのがこの種の論争だろう。 
立法府なら良識のひとつも見せて欲しいのだが、見えてくるのは政党という名の利害がらみの議員の塊りが、国民そっちのけで私益のためにの駆け引きをしている姿しか見えてこない。そんな議員を選んだのもお前だろうがと言われれば、それはその通りだから因果応報とぼやくしかないのも淋しいことである。 
 食糧確保もカネがあればどこからでも買えた幸せな時代でもなくなったようだ。どの国だって自国が食えなくなったら売ってくれないのではないか。 
 そのうち農薬漬けの中国の野菜でも、頭を下げて高い価格で買わせていただく日が意外に早くやってくるだろう。 
 そんなことになるかも知れないと思いながら、飢え死にするまで生きていくのもしんどい話である。長寿化のお陰で100歳クラブが流行りそうだが、寿命が長くなるのも困ったことだ。いまの日本の姿を見ると、もっと早く逝っておけばよかったと罰当たりな考えも浮かんでくる。もっと面白い国に生まれたかったとぼやいても後の祭り。寿命のある若い人はどこに行っても食えるようにぜひ準備を怠らないように心掛けて欲しいと願うや切である。 
 世界は広いしチャンスも多い。何もこんな日本と心中することはないだろう。