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キャピタル・パートナーズ証券
三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2010年04月02日
三原 淳雄

愛国とは
 

 次から次へと様々な出来事が起きる時代になったためか、あのリーマンショックも遠い昔の話みたいな感じになってきた。 
 人間とはいつになっても「喉元過ぎれば熱さ忘れる」動物なのだろう。 
 もはや旧聞に属するかも知れないあのリーマン倒産の騒ぎで、アメリカの主要銀行に公的資金が注入された。その時九大銀行のいくつかは「うちは大丈夫」と、公的資金を注入されることを厭がって拒否する姿勢を見せたらしい。当時の財務長官はあの悪名高いポールソンだが、そのポールソンが厭がる経営者に何と「お前たちには愛国心がないのか、ことはお前の銀行だけの問題ではない。アメリカが危ないのだ」と一喝して抑え込んだとか。 
 
 そう言えば日本ではこの「愛国」という言葉が聞かれなくなって久しいし、うっかり口走りでもするとたちまち右翼扱いされそうな言葉になってしまった。 
 今回の沖縄の騒ぎを見ても、どいつもこいつも愛国など全く無関心で、もっぱら自分の身や所属する組織、団体の利害を論じている。国民全員の生命を守ることも愛国のはずなのだが、自分たちの利害しか考えていないのだろう。やや概念的な話になるが「国」とは何か、「国家」とはについての定義ぐらいは心得ていて欲しいのだが、これもいまや無いものねだりだし、死語になってしまったようだ。 
 
 国とはお国言葉などと言われるように、自分の住んでいる場所のことなのだが、地方の首長さんたちに国とは何かという肝心なことがよく判っていないようだ。 
 われもし過疎に悩む地域の首長なら、いまこそ沖縄の米軍基地を誘致するチャンスと考えるだろう。基地が来れば過疎どころかそこは大いに発展するだろう。もちろん騒音などの代償は必要だが、自助の努力も必要だ。いまどき平和、平和を唱えているだけでカネが天から降ってくるはずもない。ミサイル全盛の時代だから、自分のところがやられる時には、日本中が同じ目に遭っているだろう。愛国心とは自分の国、つまり住んでいる場所の繁栄を考えるのが本来の意味であり、愛国を唱えるとすぐ戦争や国民皆兵みたいな話になるのは単細胞に過ぎるし、何でそうなるのか理解出来ない。 
 
 自分たちの住んでいる国の悪口を言うのも日本の特長である。そんなに嫌いな国なら、さっさと出て行ってよその国から言ってくれ。パスポートに何と書いてあるか読んでみたことがないのではないか。日本国民であると書いてあるはずだ。 
 法人税を世界一番高いまま放置して、それで景気を良くしろといったって、やる気のある企業ほど、これからどんどん国から出ていくぞ。既に日本電産の永守社長は「この高い法人税や雇用の規制強化では日本から出てゆくしかない」と堂々と公言されているではないか。 
 
愛国心のない国にはそのうち税金を払うのではなく他人の税金から貰いたいと言う国民と、それでも自分たちは優秀だと考えている政治家と役人の天下になるのではないか。税金は、自分たちの国を良くして欲しいから払うのであり、そうでなければ税金まで払って、リスクをとって経営している意味がないと永守さんならずともそう考えるだろう。国からの補助金は欲しいが、基地はお断りなんて勝手なことを言っていると、地方はますます過疎化が進み、何れ誰も住まなくなるだろう。沖縄の人たちの立場も少しはおもんばかってみてはどうだ。 
  
 社会に富を生み出すのは誰か、それは企業なのである。その企業の経営者に愛想をつかされては、一体誰がこの国を支えるのか、いま必要なのは「国を支えて、国に頼らず、というケネディが訴えた心意気のはずである。

いまはルンビニ

 いまはネパールのルンビニに来ています。 
 親爺がお寺の次男という縁もあって、お釈迦様の生誕地には子供のころの花祭りの度に興味をもっていたのですが、今回友人がそのルンビニにホテルを開業したのでいい機会なので・・・・。 
「天上天下唯我独尊」と唱えてお釈迦様がお生れになった場所で、純粋な気持ちになって日頃の悪業を反省してくるつもりです。仏様になって帰ってきましょう。