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キャピタル・パートナーズ証券
三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2010年09月10日
三原 淳雄

回転ドア
 

 回転ドアとはくるくる回りながら人が入れ替わるドアのこと。アメリカでは政権が変わると閣僚は勿論トップ官僚の多くが入れ替わり、政権党の政策に沿った政策が実行されていく。当然政策もガラリと変わることが多いし、国民も大統領と議会に対しては中間選挙などでうまくバランスをとる。 
 
 そんな回転ドアに馴れたアメリカの目から見て、日本の首相が高速の回転ドアによってくるくる入れ替わり、20年間で14人、この1年で今回の民主党の代表達を含めると3人も回転ドアで出入りしている姿には流石に呆れているようだ。こんなに首相がくるくる替われば、普通の国ならカントリーリスクが高過ぎて、とてもそんな国の債券や通貨は買えないと市場は読むのだろうが、何故か国債も通貨も買われている。並みの神経なら不思議に思うのが当然だろう。多分日本国民はしっかりしているから(ちゃっかりしている?)大丈夫と市場の参加者は判断しているのだろうが、流石に「日本は本当に大丈夫か?」という声がチラホラと聞こえ始めてきた。 
 
 NYダイムズ紙などではいつの間にか日本はサードラージェスト(世界第三位の経済)と書き始め、中国が2位となったことを認めているようだし、もはや日本はアジア地域のリーダ−の地位が危なくなりつつあり、日本という国のプリンシパルがどこにあるのかも見えなくなったと言い始めている。菅首相の唱えている「増税しても成長」論や「不況下での財政再建」などもっての外と切り捨てているから、そろそろ日本の評価も下り坂になりそうな気配も見えてきた。 
 
 ところで40年も前の話だがビジネススクールに行く前に、カリフォルニア大学のサマースクールで英語を習った時のこと。サマースクールの運営のあまりのチャランポランぶりに抗議を申し込んだことがある。すると学校側は「日本人が文句を言ってくるときは注意することだ。彼らはギリギリまで我慢するが、追い込むと最後には切れる」とひそひそ話をしていた結果、もちろん抗議はすんなり聞き入れられた。 
 
 世界の日本人評はおおむねこんなところだろう。先の戦争でも諸外国からさんざん厭がらせを受けた挙句に、無謀な戦争に突き込んだと言う日本のイメージをどこの国もまだ持っているはずである。 
 
 日本の国債や円が買われるのも、いざとなれば日本はコロッと変わる恐い国だから、何れ立ち上がってくると世界は考えているのかも知れない。それなら嬉しいのだが、そんな日本をもっと恐がらせるために、個人のツィッターで結構だから(自分はやっていないが)、誰か「IT’S NOT BAD IDEA FOR JAPAN TO HAVE NUKE」ぐらい英語で囁いてみてくれると面白いのではないだろうか。きっと世界は飛び上がるぞ。日本人も随分変わったからなあ・・・・・。そんな気はもう失せたかな。それでも変わらなければならない時には大きく変われるはずという淡い期待は持っておきたい。