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プロフィール
キャピタル・パートナーズ証券
三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2010年10月15日
三原 淳雄

日銀が株を買ってくる何と嬉しいことか
 

 10月5日に日銀が発表した「包括的金融政策」には、いささかならず驚かされた。 
 とかくこれまでは市場や政治家にせっつかれ脅され、それでも少しづつしか動かないという、日銀の伝統的な金融政策のあり方からみると、非伝統的な物凄く大胆な一手と言っていいだろう。 
 
 訳も分からずに全てを日銀のせいにし、せっついていた政治家も、流石にここまでやってくるとは考えてもいなかったのではないか。日米欧とも過去に例のない経済のジレンマに陥るなかで、伝統的な手法では間に合うはずもない。何せ前代未聞の先進国と新興国のバトンタッチが行われているなかでのデフレだから、余程思い切ったことをしなければ、市場も驚かないし人心も動かないだろう。 
 
 中国など土地は政府のものだから、新幹線も高速道路もあっと言う間にできるのだ。そんな時代なのだから、思い切った手とスピードをもってやらねば、市場には効果が薄い。 
 これまで金利を下げてカネを緩めても、誰も使わないし、株も不動産も買わない。元気がいいのはFXだけ。それで円高になっていれば世話はない。 
 
 そこに白川さんがETFやJ-REITを買い込みますよとやってくれたのだから、将来のバブルへの期待が持てるようになってきた。 
 当初は5兆円の基金でも何れ足りなくなればどんどん膨らむだろうし、カネはあっても誰もが使いたがらない。買いたがらない時には日銀が買うのもいいだろう。 
 昭和40年不況では政府や日銀がせっせと株を買ったおかげで、その後その基金は大儲けしたという例もある。兜町にそびえる証券会館はその時の儲けで建てたものである。資産はいつもそうだが、誰も買わない時に買うのが一番と、昔の大地主がよく言っていたものだ。 
 
 さてそこで政策の出番だが、何だかいまの国会中継をみていると、全く緊張感が足りないし、何をしようとしているのかすら見えない。国民の生活が一番じゃないのか。国会でファッションショーをやっている場合ではないだろう。何とかしてくれ!! 
 折角日銀がこれだけの覚悟と決意をしてくれたのだから、今度は政府が出来ることをしっかり考える番だろう。 
 
 何も財源など難しいことを言わずとも、取り敢えず銭カネがかからず出来ることからやればいい。それにはまず交際費は無制限に非課税にすることだ。 
 元気がよくて本来カネがバンバン使える企業も回りの目を意識して自粛しているご時世だから、税制で後押ししてバンバン使って貰えばいい。そうすれば交際費は無税にしても消費税収が上がってくる。タバコの値上げよりはうんと増収だろう。 
 配当の二重課税の廃止も即やればいい。かねてより配当の二重課税には問題があると言われているのだから、この際すっきりとすれば法人税率の軽減と相俟って企業活動の活性化に役立つのではないか。他にも加速度償却という手もあるし。 
 それにしても何もしない政府だなあ・・・・・。 
 
チリの鉱山事故、これは凄いなー! 
 あのラテンの人たちがあそこまでまとまるとは。 
 その昔は政情不安で大変だった国なのに、何と全員で国歌を歌っている姿には頭が下がった。大統領から鉱夫、その家族まで全員で国歌をことある度に歌っていたが、菅さんならその場からそっと抜け出すのではないか。何せ国歌も国家も嫌いらしいから。 
 まずその当りから改めてみてはどうだ。国をまとめるとは大変なことなんだぞ。チリにでも行ってこい。