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三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2010年10月21日
三原 淳雄

実りの秋(棚ボタの秋)
 

 読書の秋、文化の秋、天高く馬肥ゆる秋なのに、9月から高熱が出ては引っくり返り、収まったと思ったらまた高熱が出るという散々な秋になった。これまで熱など出たことがないので、どうも初めの対応を誤ってこじらせてしまったらしい。 
 
 「遅れてきた知恵熱だろう」と、日頃の言動がたたってどなたも同情もお見舞いもしてくれないし、熱があるので好きな読書も気合が入らない。オーディオも折角寝床でひっくり返っているだけなのだから、せめてじっくり聴けるかと言うと、これもまた元気なときに聴くのとはかなり違和感がある。 
 もちろん食欲などあるはずもないから、体重は一気に落ち、骸骨みたいになってしまった。 
 
 こう書いてくると流石に可哀想にと思って下さる方もいらっしゃるだろうが、それでもはやり持って生まれた悪運とは恐ろしいもので、熱が下がって一寸調子がいいので事務所に来たら、友人が飛び込んで来て「急用で行けなくなった。ぜひ代わりに行ってくれ」と置いていったチケットが何と「イギリス ロイヤル オペラ」のマノンではないが、主役はいま売り出し中の美人ソプラノ、アンナ ネトレプコ。 
 しかもS席、前の席には安倍元首相夫妻が座っていらした。捨てる神あり。拾う神ありとはよく言ったもの。久しぶりに正式な金の物凄くかかっているオペラを堪能してきた。ネトレプコは凄かった。 
 
 ところがこの外出がよくなかったのか、また発熱、うつらうつら状態がしばらく続きやっと熱が下がってまともに歩けるようになったら、今度は倅がサラ・ブライトマンのチケットを買ったけど行けなくなった。代わりに行ってくれという話になって、これまた美人で評判のソプラノを聞いてきた。 
 東京フォーラムの大ホールを何回も一杯にするだけあって、やはり大したものだ。ミュージカル出身だそうだけど、クラシックからポピュラーまで無難にこなすし、音域も声量も凄い。しかもきれいな脚線美、とてもお歳50とは思えない。(オペラグラスを忘れたのが残念) 
 
 風邪のおかげで散々なはずだった文化の秋も思わぬ拾い物があり、それなりに大きな実りのある秋となった。 

棹尾の一振

 あちらの国、こちらの国とどんどん金融緩和をするので、あちらこちらにカネが溢れてきつつあるようだ。あの日銀ですらETFや不動産投信を買うほどだから、何れ世界中で壮大な金融相場が始まるのではないか。ブラジルなど新興国はもうそうなっているようだ。 
 NYもマクロの指標の悪化より、個別のアップルの決算を評価して株は上がっているし、日本でもそろそろ円高のメリットについても語られ始め、円高即株安とはならなくなりつつある。案外年末にかけて面白い局面が来そうな気がするのだが。