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2000年12月18日
三原 淳雄

 
形ばかりは出来るけど
 

 「仏作って魂いれず」とは、今日本の政府が行っている政策、そのものだろう。

 税制もちょっり贈与や相続で時代に追いつこうとする意欲は見えるものの、株式投資にかかわる税制は得意の先送り。

 贈与税の年間60万円の控除額などは、何十年間も変わっていなかったのだから、これだけ日本経済が大きくなり、月給も昔とは大違いになっていたのだから、もっと早期に見直していれば、日本の家庭崩壊も少なくてすんだのではないだろうか。

 子供なら全て平等と言う相続のあり方が、財産は欲しいが老人は不要という風潮を産んだきらいもあり、そこを贈与税でカバーしておけば生前にいい子には多く贈与出来たのだから、老後の不安も少なくなっただろう。

 公平、平等も言うのは簡単だが、親の面倒を子供たちが公平、平等にみてくれると考えるのは如何なものか。

 そろそろ正しい公平や平等とは何かを改めて考え直すべきだろう。

 株式投資の利益にかかる税金も、何だか不労所得のように考えられているふしもあり、だからこそその売買益に26%の税金を、それも申告制にしようなどという規制が出てきたのである。

 しかも年間を通しての利益には課税するが、損失については自己負担というのでは、本来リスクがある市場に、そうでなくともリスクに不慣れな一般の国民が参加しなくなるのは目に見えている。

 形だけは外国の税制を真似たようだが、投資家の心情を理解していない点では、魂の入った税制とはとても呼べない。

 公的、私的年金の前途が危うくなり、それに代わるものとして個人が参加出きる老後のための制度として確定拠出型年金(401K)も形だけは出来つつあるようだが、控除額が年間で20万円余りでは、何十年拠出しても、とても老後の備えが万全というわけにはいくまい。

 これまた外国の形を輸入しただけ。

 最近発足した不動産投信も然りで、法律だけは出来てきたが、内容をみると発得負許税や取得税といった税制もそのまま乗っかってくるし、これでは流通市場で気軽に売買出きる投信が出きるとはとても思えない。

 税の精神は公平・中立なのだうだが、社会主義国ではあるまいし、市場経済にふさわしい分り易く使い勝手のいいものこそ公平・平等なのではないだろうか。