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三原淳雄
 
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2004年1月16日
三原 淳雄

 
求めよ、さらば与えられん
 

 申年の2004年が明けた。言い伝えによると申年は固い殻を破って新しい芽が出て来る年だそうだが、どうやら日本にとっても積年の課題が噴出し、それを打破出来るかどうかの正念場、いわば浮沈が掛った年になりそうだ。戦後一貫して増え続けてきた人口も減少に向かうし、その人口の変化によって年金が大問題にもなってきた。資産の価格ももう既に不動産市場では顕著だが、付加価値がつけられる物件とそうでないものとでは大きな差が出ているし、株も値上がりするものがある一方で倒産してタダになるものもあるように、ただ持っていれば値上がりする時代ではなくなった。

 社会的にも問題山積である。いよいよ自衛隊が海外へ出掛けるが、例によって実際は派兵なのに派遣というような言葉でごまかしているが、何れことの本質をハッキリさせ場合によっては憲法論議もしっかり行うべき年になるかも知れない。もうごまかしや言葉遊び、先送りでうまくいく時代ではなくなったことを知らされる年になるはずである。このことは投資にも通じることであり、世の中が大きく変わる時代には発想も大きく変えなければ、とても勝ち戦には出来ないだろう。その意味で今回自衛隊が本格的にリスクと直面する時代になったことは、投資家にとってもリスクとは何かについて大いに参考にすべきだろう。

 日本の存在を世界に知らしめるという派兵のリターンを得るためには、ひょっとしたら襲われるかも知れないというリスクが伴う。投資も同様にリターンを期待するなら敢えてリスクを取らなければリターンなど期待出来るはずもない。このリスクとリターンの兼ね合いをどうするか、これまでのように右肩上がりの発想が通用した時代なら、目先多少値下がりしてもただ待っていればもとに戻ってきたが、これからはそうはいくまい。

 今年の後半にはまた例によってペイオフを巡って大騒ぎになるだろう。

 これまでゼロ金利のままでじっとしていた約800兆円の資金の大移動が始まる可能性もある。預金しかしていなかった人たちも発想を変えることが求められるようにもなる。旧来の固い殻に入ったままの発想では勝てないのだから、今年は申年のお告げに従って自らの力で固い殻を破る発想が効を奏する年になるのは確かだろう。「求めよさらば与えられん」を今年はモットーにしたいものである。