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2004年1月23日
三原 淳雄

 
世界的大潮流の変化に学べ
 

 市場の最大の材料は変化だが、日本はその変化にまだ乗り切れず全てが中途半端になっている感がある。

 21世紀も早や4年目を迎え、新しい流れも徐々にはっきりしてきた。20世紀と較べて既に明確に異なる点を3つ挙げるとすれば、まず世界的に「情報化」が定着し、それもかなり複合化していることである。広範囲で膨大な情報がそれぞれのニーズに応じていつでもどこでも、それこそ瞬時に利用することが可能になり、20世紀の一方交通から相互交通へと大きく姿を変えているし、そのためビジネスの質や方法が劇的に変わり始めたのはご案内の通りである。次に東西冷戦の終結による世界経済の一体化、市場経済の大進展がある。

 かつては先進国と発展途上国とがハッキリ分かれていたが、中国やロシアをはじめアジア諸国も続々と発展途上国レベルを脱し、かつての先進国とほぼ同等の経済力をもちはじめている。これら諸国の所得の増加率は大きい。当然のことながら生産や貿易量も飛躍的に伸びているし、つれて金融・資本の両市場も急速に発展してきた。世界経済のパイの拡大はそれに見合う流動性を増加させることとなり、その結果2003年には世界的な株高へとつながっていったのである。

 注目すべきはかつての発展途上国の発展の原動力となったのは「市場経済型」政策の賜物であるという事実である。

 これらの国のほとんどが、共産主義、社会主義、国家管理型政策から市場重視の経済へと大転換したことによって、急速に先進国へとその姿を変えている。つまり過去の経済運営の失敗から学ぶことによって、国を大きく変えることに成功したのである。

 国家管理型経済から民間主導型経済へと変えたことで、如何に国が急速に大きく変わるかは、中国が何よりの好例であろう。

 ほんの十数年前までは全国民が人民服だったことをご記憶の方も多いだろうが、制度、政策の大転換によって国も国民も姿形も含めて見事に変わってしまっている。

 日本の敗因は将にこの流れに背を向けたからに他なるまい。この世界の変化から学ぶべきことは多い、それにはまず政府の経済や市場への干渉を排し、民間の活力を引き出すしかない。その兆しが出てくれば今年の日本の市場は思いもかけぬ独歩高も期待出来よう。日本の死活が問われる年になるだろう。