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プロフィール
三原淳雄
 

2004年10月28日
三原 淳雄

オニババと化す女性たち
 

この言葉は私が言っているのではない。そう思っていないわけではないが、いま大いに売れている本のタイトルである。 
日本は面白い国で時として一方へ大きく振れると、その振れに対して自虐的な見方が出てきて揺り返すスイングとなる。そしてそれが本になって売れ、流行語となるという何とも変な国である。 
女性もかつては何を勘違いしたのか全員がキャリアになれるかのようなキャリア指向ブームがあった。雇用均等法などが出来て女性への門戸が大きく開かれたこともあるが、そのため一寸英語がしゃべれる程度でもキャリアと勘違いする女性も続出した。カネがあって遊びが面白くなれば結婚などバカバカしくなつのだろう。 
当然キャリアを目指すので遊びも男と同じ、出産、子育てなど後回しとなる。 
十年もすると今度はキャリアの夢も多くが破れ「負け犬」という言葉や本が出てくる。負け犬と言葉では自虐的だが、その意味するところは決して負けているわけでもない。文字通り負け犬の遠吠えである。 
そして遠吠えの効果が薄れてくると開き直って、女らしい娘時代をもてなかった女はオニババと化すのだそうだ。 
男がもしここまで開き直ると漫画と軽蔑の対象にしかならないが、女性はいいよな。何せ根性がある。 
こうした現象は何も女性だけのものではない。世の中全体もこの女性の変化と同じように、一方に大きく振れたら今度は反動で正反対のムードが出てくる。 
その典型的な例が家訓だろう。戦後間もなくの日本の多くの家の家訓は「株は買うな」「借金はするな」だった。 
質素倹約、質実剛健が尊ばれたのであるが、高度成長とマイルドインフレの長期持続でいつの間にやら家訓も「借金をしてでも土地や株を買え」と変わっていった。土地が無理ならゴルフの会員権というチョイスもあった。何せ銀行はどんどん貸したのだから、「借金も財産のうち」が家訓に変わることとなった。そしてやって来たのがあのバブル崩壊である。 
あれほど借り手に優しかった銀行はオニババとなり、高利貸しもびっくりという貸金回収に走ることとなったために企業や家計は火の車。株や土地は持ってるだけで価値を失っていくので借金の重みは増すばかり。 
こんな状態が長く続けば家訓も変わり「土地・株・借金」はいまや諸悪の根源・持ってはいけないということになった。 
企業も借金返済のためにリストラが家訓となり、失業は増加し所得は減少する。 
政府は年金削減、増税でこれまた財政再建の鬼となる。 
「年収三百万円時代」という自虐的な本がベストセラーとなるご時世だから、オニと化さねば生きてゆけなくなった。 
自虐的な考え方で世の中明るくなるわけでもないのだが、このオニババ現象はいつまで続くのだろうか。花咲爺さんは出てこないのだろうか。変な厭な国になったものである。