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プロフィール
三原淳雄
 

2005年02月22日
三原 淳雄

平成の黒船騒ぎに学ぶ
 

何とも凄い時代になったものだ。十年前には存在すらしていなかった企業が、時代の変化を敏感にキャッチし、市場の効用を最大限に利用して(大幅な株式分割など)企業の時価総額を高め、今度はそれを利用して買収に次ぐ買収を重ね、遂には日本のエスタブリッシュメントの牙城とも言えるフジTVグループに斬り込んできた。 
 
市場の正しい認識が欠けている日本のこと、思いもかけぬ買収の提案を受けた企業側の応対は、さながら徳川末期の黒船騒ぎにも似たものがあり、如何に日本の経営者の多くはボンヤリしていたか、まるで徳川幕府の役人たちと同じような騒ぎとなっている。起きて欲しくないことは起きないと考えていたのではないだろうか。 
 
橋本政権の時に金融ビッグバンを行い、フリー・フェア・グローバルなるスローガンを揚げた時から、かくなる事態は予期されたのではなかったか。 
 
その世界の大勢に気付かず、相も変わらず自社の都合だけで経営を行っていたからこそ、肝心な時に肝心な株主にそっぽをむかれ、大規模に株を買われてから大騒ぎとなっている姿は、何とも滑稽としか言いようがない。 
 
マネーゲームは怪しからんというムードも一部政財界にあるようだが、所詮資本主義は利益を追求するのが本筋なのだから、そんなナイーブで消極的な対応では、とても太刀打ちは出来まい。それが厭だったら平素から何があっても私は味方ですよ、という与党株主を作っておくべきだったのである。 
 
経営者や企業が好きとう株主をしっかり作っておけば、こんなにあっさり大量の株などたとえ市場外であれ買えなかっただろう。 
 
株を公開することを英語では「ゴー トウ パブリック」というように、上場したらその企業はもはや私企業ではなく社会の公器なのであり、社会の広範な支持がなければ企業は何れマーケットから罰を受けるのは当り前なのである。わが国ではとかく買占め側を悪者扱いするムードもあるようだが、株主にしてみれば企業の価値を上げてくれる経営者が望ましいわけであり、株価が下がり企業の価値を下げる経営者は本来であればとうの昔に追い出されるべきだったのではないだろうか。今回のライブドアいよるフジサンケイグループへの挑戦の結果がどうなるかについては、正直言って関心はないが、今回の騒ぎを見ていると、どうも本質を議論するのではなく、感情的な議論になっているのが気懸かりである。政府の方針は、「外資をもっと導入する」となっているにもかかわらず、今回の騒ぎを見ている外国勢は一体日本はどうなっているのかと、狐につままれた感じになっているのではないだろうか。ものごとの本筋を離れた議論に惑わされることなく、今回の騒ぎをぜひ他山の石として市場の効用を理解し、市場を活用するとはどういうことかについて、ぜひ学習して欲しいものである。