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プロフィール
三原淳雄
 

2005年10月14日
三原 淳雄

国家百年の大計とは
 

 またもや阪神電鉄やTBSの買収騒ぎに日本中が大騒ぎになっているが、この馬鹿騒ぎを見ていると、もはや日本には確固とした国としての軸足が失われてしまったのではないか、もしかしてその軸足があるとすればそれはカネになってしまったのではないかという感すらおぼえさせられてしまう。 
 こんなゼニカネばかりで日本が大騒ぎし、天下のNHKまでもニュースの時間の半分を使って報じているのだから、公共放送と呼ぶのは間違いではないかとすら思ってしまう。 
 日本が馬鹿騒ぎしている間にも、中国は宇宙に有人ロケットを打ち上げ、米国と覇を競っているし、パキスタンでは大地震で大騒ぎとなっているのに、この二つの大事件から学ぶ姿勢すら失っている日本の現状を、もし先祖が生き返ってきたとしたら、慨嘆して再びあの世に帰りたくなるだろう。 
 ウェルスという言葉があるが、これは志を持った冨のことであり、単なるカネではそれはアセット、つまり資産でしかないが、その冨を求めるのではなく、カネさえあれば何でも出来るという風潮は、カネに溺れて滅亡したカルタゴの姿とダブッて見えてならないのである。日本にきちんとした資本主義や市場経済の知識や理解があれば、上場企業はどうあるべきかを経営者は自覚していただろうし、またメディアもピント外れの報道などに興じることなく、ことの本質をしっかり伝えているはずなのだが、またもや茶の間の劇場と化してしまったのは情けない限りである。 
 外国からの援助資金で国の経済を立て直し、いまやロケットまで打ち上げている一党独裁の国の方が、よほど国家百年の大計を持っているのは確かだろう。 
 「他山の石」という言葉があるが、パキスタンの地震だって他人ごとではない。 
 とかく日本人は「起きて欲しくないことは起きない」とする風潮があるが、いまの時代はむしろ「起きて欲しくないことほど起きる」と考えを改めて、外交なり安全なりをもっと真剣に考えるのが筋ではないのだろうか。 
 いま株の大量保有で話題になっている企業がどうなろうと、国家百年の大計の中で考えればたいしたことではない。 
 誰が経営しようと電車が走りTVが見られれば生活にもそんなに影響が出ることもあるまい。ましてやプロ野球のオーナーがどうなろうと野球がなくなるわけでもない。 
 それよりも心配なのは「物作り」や「品質」で世界一と自負していた分野がおかしくなっていることである。 
 日本のロケットは失敗の連続だし、得意とした半導体ももはや昔日の面影はない。 
 豊かになって世界で有数の金持ち国となったのだから、いま考えるべきことはこの金融資産を如何に有効に活用して新しい国をつくるかであろう。他人さまのマネーゲームを全員で楽しんでいるような国にはなって欲しくないのである。自分が何を出来るのか、後世にカネ以外に何を残していけるか、いまこそしっかりと考えるべきだろう。