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プロフィール
三原淳雄
 

2006年01月06日
三原 淳雄

新年雑感
 

 人間ヒマがあるとロクなことは考えないようだ。正月休みにふと‘05年はどんな年だっただろうか、そのキーワードはなどを考えてみていたら、飛んでもないことに気がついた。 
 それは「性悪」という言葉である。もともと日本人はその性は善で、礼儀正しく、正直で優しく思いやりのある民族とされていた。少なくとも外国ではそう思われていたのだが、その性善説が通用しなくなったのが‘05年だろう。 
 「バレてもともと、バレなければ儲けもの」とは性悪説の根っ子だが、マンション構造偽装問題などは、日本人の性善説を逆手に取った典型的な例だし、他にも災害に便乗して見舞金を搾取する奴まで出てきた。 
 これを世も末という。 
 あの一級建築士が白状しなければ、関係者たちはいつかは起きる大地震に紛れて逃げるつもりだっただろうし、相次いだ談合なども内部告発がなければ逃げ切れたかも知れない。もともと人種のルツボのアメリカなどには性善説などないし、お隣りの中国も信じられるのは自分と家族ぐらいなものと考えてフシがある。 
 今回のみずほ証券の誤発注もよくぞあれですんだものだと、改めてゾッとしているのだが、金融関係者には性悪説の怖さが判っているのだろうか。よくマーケットは人脈次第と言われるが、あるグループがやる気になって誤発注をしでかすリスクなど考えたこともあるまい。しかし市場参加者はいまやグローバルな時代だけに悪い者が出てきた時にどうするのかと、そぞろ心配である。 
 仮に一人が善意を装ってわざと誤発注して大量の売りを出し、あらかじめ打ち合わせずみの仲間がすかさずそこで買い、巨利を博して後で山分けをするケースなど、正直で性善な日本人にはまず思いつかないい発想かも知れないが、他国の市場ではいくらでもそれらしきケースは多発しているのである。かつてそのてのグループに証拠はないものの日系企業がえらい損害を被ったこともあるやに聞く。幸が不幸か今回は大臣の「美しくない」のひと言で、不自然な法人の利益は寄付などで決着するようだが、これとても法やシステムが性悪説で武装されていたら、こんな漫画みたいな事態にはならなかっただろう。 
 外国なら瞬時に取引きはストップされたはずである。然る後に厳正な調査や処罰が行われるのが一般的である。日本の市場もいまや世界中の投資家が参加していることを自覚し、こんなみっともない無防備な姿は即刻改めるべきだろう。 
 「備えあれば憂いなし」と言うし、また「天網恢恢疎にして漏らさず」というたとえもある。少なくとも「正直ものが馬鹿を見る」社会にだけはしたくないものである。 
 それがいま話題の「国家の品格」の覚悟であろう。