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プロフィール
三原淳雄
 

2007年02月19日
三原 淳雄

相も変らぬハゲタカ嫌い
 

 日本の外資アレルギーはいつになったら変わるのだろうか。外国ファンドのスティールがサッポロにTOBを提案したら、またもバケツをひっくり返したようなハゲタカ騒ぎ。ワイドショーなどのコメンテーターなどメディアもひどいもので、いまにも日本中の企業が外資に乗っ取られる、大変な時代になったとあたかも国が潰れるような論調で叫んでいるが、もういい加減被害者意識を振り回すのは止めたらどうだ。そりゃーサッポロの経営者にしてみればたまったものではないだろう。一生懸命頑張ってその挙句が乗っ取られて放り出されるのでは、とても経営者などやってられないという気になるのは判らないでもない。社員も心穏やかではないだろう。 
 問題は日本の投資家、つまり株主である。本当にサッポロが好きで株主になったのなら、たとえTOBをかけられようと自分たちの持ち株を売らなければTOBなど成立するはずはないし、だいいちTOBが可能なレベルまで既に株を売った連中が沢山いたのではないか。 
 自ら株を売り払っておいて外資に買われ、そしてTOBはハゲタカの仕業なんて騒ぐのはどこか筋が違っているのではないのか。 
 本来株を買って株主になるということはどういうことなのか、投資の本来の意味や役目は何なのか。これぐらいのことで大騒ぎする暇があるのなら、ワイドショーのコメンテーターたちももっと勉強するべきだろう。 
 「株をやる」などと、訳の判らぬ言葉を使う一方で、何をやっているのかその意味すら理解せず、ただ単に株とは安く買って高く売るものという大きな誤解をしたまま、安っぽいコメントを連発し大衆の移ろい易い正義感を煽っているだけではないのか。 
 そもそも投資とは社会に富を生み出す企業を育て、国民の富を増やすのが目的であり、単に売り買いするためだけなら投資とは呼ばない、それはトレーディングである。 
 企業が社会に富をもたらすエンジンとすれば、投資家はそのエンジンに燃料を供給し円滑に運転出来るようウォッチするのが投資家、すなわち株主の本来の役目なのである。 
 株価が高くなればすぐ売るようなトレーダーばかりだと、早晩日本企業の多くは外資の傘下に入ることになるのは自明の理である。 
 だからといって外資が悪いわけでもない。きちんと雇用を生み企業の価値を高めてくれれば、それはそれで大変結構ではないか。 
 日の丸を揚げず、国歌も唱わず、それでいてただハゲタカは怪しからんでは一体何を基準にしているのか、日本そのもののアイデンティティが疑われるだろう。そんなに日本の企業が大切なら自ら株主になって、たとえどんなに高値を提示されても、それでも自分はこの会社が好きだ、だから売らないという気概をもってから、きちんとしたコメントを出すのがメディアやコメンテーターの責務だろう。 
 世界に開かれた日本にするにはどうすればいいのか、きちんとした世界観や歴史観を持ってしっかりとしたコメントを出して貰いたい。それにはまず株主とは何かという正しい知識と理解が必要である。いまの日本には株と市場への正しい認識が全く欠けている。残念なことだ。