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プロフィール
三原淳雄
 

2007年03月02日
三原 淳雄

人生いろいろ、相場もいろいろ
 

 上海発の相場の下げで世界中が大騒ぎになっている。世の中変われば変わるものだ。 
 時価総額でみればたかだか130兆円ほどの、日本の四分の一程度の市場の下げで、なぜこんな騒ぎになったのだろう。 
 上海ごときに振り回されるのは如何なものかと、旧満州生まれの身としては歯がゆい思いもしないではないが、それにしても厄介な国が力をつけてきたものだ。 
 歴史的にも金儲けが好きでギャンブルはもっと好きという国民に、マカオのカジノに加えて株式市場なんて格好な玩具を与えたのだからたまらない。たちまち買いが買いをよぶユーホリア現象を捲き起こし、そこにこれまた生き馬の目を抜くファンド勢が加わったのだから、こうしてこうすればこうなると、判っていても止まらなくなってしまったのだろう。ほんのこの前まで人民服を着て赤い手帳を持っていた連中が、今度は手帳の代わりにカネを持って不馴れな投資家に変わったのだから、コーポレートガバナンスもコンプラも馬の耳に念仏だろうし、加えて情報は不正確で朝令暮改の語源の国、疑心暗鬼が先立つようになれば算を乱して逃げ出すのは当たり前であろう。 
 たった3年前なら上海で何が起きようと多寡をくくって高見の見物をしていられたのだが、何故か今回は先進国の市場にまで大きく影響を受けることになってしまった。 
 その原因は世界経済の急速な均一化、つまりフラット化、そして過剰流動性のもたらしたマネー化である。 
 よく言われる円のキャリートレードなどその好例であり、低利で円を調達して高金利国で運用するなど、資金の運用は国境や時差と関係なく大きな動きが瞬時に起きる。 
 中国など低金利国の登場で世界的に労働分岐率が下がり、企業の手元キャッシュは増えるという過剰流動性も、この経済のフラットを利用して運用される。 
 そのため常に大量のカネが世界中を徘徊しているのだが、その流れに変調が起きたのが今回の騒ぎだろう。NYが敏感に下げたのもこの数年の米中の関係が大きく変わったこともある。 
 そのためひと昔前なら笑って見逃せたものが、いまや大事になってきた。 
 一方日本ではこの変化になかなか対応出来ない横並びというDNAがある。また変化を嫌う国民性もあるし、世論が一方的に傾くと反対意見には耳を傾けないという習性も強い。おまけに自ら考えることなく人が成功したことを見届けてから動くので、いつも天井掴みとなる。うまくいっている時は有頂天、ちょっと損をすると自虐的で被害者となるのもこの国の特長である。 
 いつまでも日本ならではの考え方から脱皮して、もうそろそろ世界の変化に目を向ける時代だろう。飛行機ならほんの数時間のところに全く異なる人生観を持つ人たちが13億人もいることを忘れないことだ。 
 株価は動くことで変化を表す。しかしその背景はいろいろと時代によって変わるのだから、もう日本ではとか、日本ならなんて発想からは脱する時だろう。これしきの下げて騒ぐのはみっともないではないか。そろそろ連中を手玉にとることを考えてもいいころだろう。