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プロフィール
三原淳雄
 

2008年01月21日
三原 淳雄

日本発SOS
 

 緊急事に助けを求めて送る信号が「SOS」。世の中にはうまいことを言う人がいるもので、いまの日本はタイタニックと同じSOSを発しているのだそうだ。つまりサブプライム問題のS.原油のO.そしてスタグネーション(停滞)のS.でSOSとなる。 
 いま鳥が鳴かぬ日はあっても、サブプライムやオイルの話を聞かない日はないが、そのため日本経済の停滞の原因がとかくサブプライムのSとオイルのOとされているが、これらはむしろ従であり、主たる原因はスタグネートしている日本を作り出している政策や構造にあるのではないだろうか。 
 中国に出掛けて東証上場を中国企業に提案しても「あんなローカル市場には行かない」とか、極めて親日的なアメリカ人から「いま日本はナム状態、つまり麻痺しているのではないか。人々の目の輝きがない」とまで酷評されるほど、彼らの目にもいまの日本の停滞ぶりはハッキリしているのである。 
 日本を代表する経済紙が「漂流する円」いう自虐的なタイトルで連載しているように、停滞していれば漂流するしかない。 
 激変する世界のなかで漂流しか続けられないとしたら、まるで海図や羅針盤もなく航海しているようなもの。積荷を食い潰した後の日本の姿がどうにも描けない。 
 行き先をG.P.S.でしっかり定めて、それどころかサブプライム問題を奇禍として、着々と手を打っている中国やシンガポール、産油国などに、このままではますます大きく水を開けられそうになってきた。 
増税は後、懐が先 
福田内閣発足時には500兆円だった東証の時価総額が、いまや420兆円と約80兆円も吹っ飛び、やっと危機感が出てきた感のある首相の施政方針演説が行われたが、正直言ってこれで停滞感から抜け出せるといったビジョンやインパクトはまるで感じられなかった。「活力ある経済社会の構築」を唱えいるが、具体的にどうするのか、それに対して国民にどう動いて欲しいのかがさっぱり見えてこない。つまりメッセージも気迫も送られてこないし、ましてや株価を上げようという意欲など気配もない。 
 市場は将来を先取りして心理で動くもの。 
 停滞し漂流している日本の行き先を、いまこそしっかり示さなければ、年初来からの個人の信用残が急減しているように、日本株は頼みの綱の日本の個人投資家からも見捨てられつつである。対照的にサブプライムの震源地であるアメリカは政府も民間も流石に動きが速い。毀損した資本を金融機関はなりふり構わず補強しているし、大統領もFRBもリセッションだけは何とか避けようとする姿が見える。株価が悲鳴を上げても「事態を注意してみている」「一喜一憂しない」としかコメントが出てこない日本とは偉い違いである。外需依存で何とかやってきた日本経済にいま必要なのはこれまで停滞していた内需の活性化である。 
 業績のいい企業には賃上げを求めるようだが、全国民の懐を豊かにする政策も同時に行うべきだろう。景気を活性化するための呼び水として減税や、資産市場の活性化など組み合わせれば、国民もやる気を取り戻してくる。スタグネーション脱出の最大の特効薬は究極国民のやる気をどう引き出すか、それしかあるまい。リスクマネーに優しい政策が求められる。