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プロフィール
三原淳雄
 

2008年08月22日
三原 淳雄

ゆっくり大きく、バタバタは止めよう
 

ゆっくり大きく 
 北京オリンピックでの女子ソフトボールやなでしこジャパン、女子柔道、女子レスリングとやたら日本は女子の元気ばかりが目立ったが、子供のころ水泳の長距離選手だった身として一番感動したのは何と言っても北島選手である。自分を信じコーチや回りを信じ、そして揺ぎ無い信念で勝ち抜いていった姿はいまの日本が最も学ばねばならない点であろう。政治も行政も信用出来ず、だからといって自分で自分の人生を築くほどの自信もなく、全てを社会のせいにして勝手に切れまくっている日本の姿とは全く異なる日本人、それが北島選手なのである。 
 なかでも特に凄いのは、とかく速く泳ぐためには一般的にはピッチを上げたくなるものだが、その逆を行ったことである。 
 高校のころ何故か県大会の1500米決勝に残ってしまい、その後オリンピックに出場するような大物選手と競争する羽目になったことがある。コース順は予選のタイムで決まるから彼は当然真ん中のコース、こちらは場末の隅っこのコースで泳いだのだが、せめて始めの2〜300米ぐらいはついて行こうとバタバタ泳いだところ、たちまち浮いた状態になってしまい、掻けども掻けども前にすすまず1500米で100米もの大差で負け大恥をかいた覚えがある。 
 焦れば焦るほど前に進まない。まるでその後の自分の人生みたいなレースになったのだが、その時のトップ選手の泳ぎはやはり北島選手同様ゆっくり大きなストロークだった。 
 今回北京オリンピックの北島選手のストロークは50米で16とか、ひと掻きで3米も着実に進んでいる。素人ならその間5ストロークぐらいはバタバタとするだろう。 
 その彼の泳ぎを見ていて、いまの日本の姿がまるで素人の泳ぎと同じに見えてきた。 
バタバタは止めよう 
 国の安全といった大きな問題はそっちのけで、料理店のおかみの言動が大ニュースになったり、居酒屋タクシーで大騒ぎしたり、こんな馬鹿騒ぎをしているうちに肝心な国の行方がどうなるかが判らなくなってきた。 
 国会の解散の時期の当てっこが政治になっているし、ソマリア沖では海賊に日本の船が襲われているのに、またインド洋での油の補給で国会が止まったりするのだろう。 
 手足だけはバタバタしているのに、全く前に進まなかったあの若いころの自分をみているようで何とも腹立たしい。 
 難局であればあるほどバタバタせずに、むしろじっくりと天下の様相を観察し、大きな有効な手段を考えるのが本来の政治の役目だろうに、当の議員たちも肝心な国民にも全くそんな気配はない。そこにあるのはその日暮らしの目先きだけのバタバタのみが目立つ醜態だけ。 
 北島選手のあの凄い目付きを少しは参考にしたらどうだ。自分で決めた目標をしっかり見据えるとああいう鋭い遠くを見る目になるのだろう。そして他の選手がピッチを上げて迫ってくるなかを悠々焦らぬ自分の泳ぎを貫いて勝った姿からは見習うことが一杯あるはずだ。ソフトボールの女子選手たちにも目先のピンチに動じることなくバタバタもせずに自分たちを信じている姿を見せて貰った。 
 些事にバタバタ大騒ぎしたって根本的な解決策や大局観が出てくるはずもあるまい。国家百年の大計を焦らずゆっくり大きく考えようではないか。バタバタしていると滅びるぞ、この国は。