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プロフィール
三原淳雄
 

2008年11月06日
三原 淳雄

千載一遇のチャンスがやってきた
 

 1960年代のアメリカの騒ぎを知っている身としては今回のオバマ大統領の圧倒的な強さは将に「信じられない・・・」と叫びたくなるほどの大変化である。 
 公民権法案が成立した後も、南部諸州では不穏な動きが連発し、黒人の女子学生の登校に州兵が動員されたり、KKKと称する過激な人種差別論者たちが夜陰に乗じて黒人の家や教会に放火したり、気に入らぬ黒人を木に吊るしたり、東部から来たケネディを支援し公民権法案を支持する若い白人男性たちを車ごと池に放り込んで殺したりと、それこそ何でもありの悲惨な騒ぎが各地で頻発したものである。 
 1970年にシカゴから南部諸州をドライブしたことがあるが、南部の小さな田舎のレストランに日本人の留学仲間と入った瞬間に全店が静まり返り、気味が悪い思いをしたこともある。しかし日本人留学生だと判ると一転して親切になり、これがいわゆるサザン ホスピタリティかと思ったりもした。 
 あれからまだ半世紀も経っていないのに、まるで当然かのように黒人と白人の混血児が大統領になるのだから、何ともアメリカとは面白い国だ。これが日本だったらどうだろうと思わず考え込んでしまった。 
 それほどアメリカ国民は現状に飽き変化を求めているのかも知れないし、実際に変化を起こしたのだから大したものである。 
 翻ってわが国はと見れば、国会議員は二世か三世か、でなければ宗教か団体の支援する議員ばかり。 
 偉そうに構造改革なんてぺらぺら軽く喋っていた元首相が、何の実績もない次男を後継者にと宣っても、世間は現首相のホテルの飲み代にしか関心がないという体たらく。 
 「国民の資質以上のリーダーは持てない」という至言がほとほと身に沁みる。 
 先ほども某民放テレビから出演の打診を受けたが、彼らが言わせたいことは「オバマ大統領で日本は大変なことになる」というストーリーらしい。何とも自主性のない話で、いい機会だからいまこそ「日本に何が出来ますか、応援しますよ」と、ヘトヘトになっているアメリカに恩を売るチャンスではないか、 ジャパン パッシング ジャパン ナッシングなど散々これまで蔑ろにされていた日本が、世界を見返すチャンスと言えるなら出てもいいと言ったら、また次の機会にとあっさり引き下がられてしまった。 
 大きく変わろうとする世界に目を向けず、内にこもって自虐的になっている場合ではないだろう。 
 確かに民主党政権になると恐ろしいことも起きる可能性がある。歴代民主党の時代に大きな戦争が起きていることである。 
 あの大東亜戦争だってルーズベルトは民主党だし、ベトナム戦争もあのケネディである。ブッシュが起こしたイラク戦争など大掛かりな紛争みたいなもので桁が違う。 
 事実アメリカには最早もの作りの産業はない。車はヘトヘトだしマイクロソフトやアップル、グーグルなども物など作っちゃいない。しかし恐ろしいことに一方で軍需や石油といった国家戦略がらみの産業はしっかり残っていることである。これまでアメリカを支えGDPの約3割を生み出していた金融産業が力を失ったいま、景気を立て直すのは容易なことではない。まさか財政支出のために戦争を始めるなどとは思いたくないが、そうさせないためにもいまこそ日本の出番だろう。いまのアメリカは大統領が代わったくらいでたちまち復活出来るような生易しい痛手ではない。だから世界中が大騒ぎになったのではないか。 
 だいいち新大統領を待っているのは膨大な負債の山であり、政権が交代する場合には来年の就任を待たず専門チームを作って引き継ぎが始まるはずである。 
《タブーを取っ払おう》 
 英語に「テーク アドバンテージ」という言い方があるが、これは自分の有利な立場を利用するという意味であり、いまこそ日本は「メイ アイ ヘルプ ユー?」とアメリカに支援を申し出る時だろう。 
 誰が財務長官になるか、そうなったら日本は大変だなどと、何もせずに被害者意識に凝り固まってる場合ではあるまい。 
 CHANGE(オバマ流だと変革)という綴りのGをCに代えればCHANCEとなるように、この際Gに付いてる小さなTをタブーと呼び替えて、日本のタブーを取っ払ってこそチャンスが生まれるのである。 
 千載一遇のチャンスではないか