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プロフィール
三原淳雄
 

2009年02月19日
三原 淳雄

国益・国力・国富を考える時ではないのか
 

 今年もストックリーグの季節がきた。 
 ストックリーグとは日経新聞が主催し野村証券の後援で、全国の中学・高校・大学の学生たちによる投資のポートフォリオのレポートを募集し、最優秀レポートとして表彰されたチームはニューヨーク証券取引所見学というご褒美が出る。 
 今年で9回目、今年も審査員及び表彰式でのパネラーとして参加しているが、年毎にレポートの数が増え、その着想も子供なりに考えたユニークなものが多い。表彰式は3月14日(土)に行われる予定で、その席で優秀チームによる発表も行われるので、子供たちの株式や市場に対する考え方に興味があれば、ぜひご参加いただきたい。(会場:丸ビルホール)  
 ところで日本は真剣に国益や国力や国富について考えているのだろうかと、世界中が首をかしげるような状況が続いているのはまことに寒心に耐えない。 
 カネはもともと臆病な性格がある。より有利な投資を求めて動くのもカネだが、一方でより安全も求めるもの。 
 なかでもカネがいちばん嫌うのが政情不安であり、政治が不安定な国からマネーは逃げ出すもの。カネが逃げれば通貨は安くなりインフレは進む。国民の不満が募り政情はますます不安定となり通貨は更に下がる。かくしてその国の富は一気に減少し国は潰れる。 
 こうしたことを考えずとも平穏無事にやってこれたのがこれまでの日本だろう。 
 単純に昔は良かったと言うつもりはないが「家貧しくて孝子出ず」と言われるように、まだ貧しかったころの日本は政治家にも気概らしきものが見えたし、官僚も志の高い優秀な人が多かった。民間にも本田宗一郎氏や松下幸之助氏、井深太氏、盛田昭夫氏など国のためという気概いに満ちた人が多かった。 
 どころが最近はどうもおかしい。 
 なまじそこそこ小金が出来たためんか、国力や国富を増強することより、私財のことしか頭にない人が増えたようだし、役人にいたっては老後まで税金で養ってもらうという不遜な輩が増えてきた。ましてや国益など考えているふりもない。国益より省益が先となっている。 
 政治が迷走し役人が権力を濫用しその地位にすがり、経営者は身の保全しか考えなくなったらそんな国からはカネは逃げ出す。 
 これまで輸出依存が当たり前だったためか、通貨が下がると株が上がるというのが定番だったが、ここにきての円高一服、円も株も下げるという兆しが出て来たのはひょっとしたら円安・株安が国力・国富の喪失につながってくるのではないかと、やや先走り的ではあるが心配になってきた。 
 かねがね日本のような無資源国にとっては円高をうまく利用し、将来の国益、国富の強化策を考えるべきと唱えてきたが、うっかりするとその逆のケースを心配しなければならなくなってきたようだ。(円安、資源高、インフレ、国力低下) 
 これでもし人民元が高くなってきでもしたら(アメリカは人民元高を要求している) 
 円安・株安ともなれば日本の優れた技術ぐるみ丸ごと中国企業に買われていくのではないか。 
 これまでの円高は株安でも買収され難いという防波堤になっていたのだが、円安、株安が進めば防波堤は無くなる。 
 いまこそ真の国益とは何か。市場が何を訴えようとしているのかを真剣に考える時だろう。 
 個人的には円高のいま外国へ目を向けることを勧めたい。投資でもいいし留学して自分に投資するのもいいだろう。国が頼りにならないのなら自分の身は自分で守るしかない。 
自分の価値を高める好機だろう。